人間牧場

○人間牧場に雷が落ちる

 人間牧場は標高130メートルの高台にあって、瀬戸内海・伊予灘を眼下に見ることができます。逆に下から人間牧場の存在を見るには、下灘・豊田漁港の沖防波堤まで行かなければ全容は見えませんが、下灘コミュニティセンターや下灘駅からも山の端にチラリ見え隠れしています。建築当初は薄めの防腐剤を塗っただけの真新しい板張りの外観が眩しく輝いていましたが、築7年を経過するとさすがに古ぼけて、周りの自然に同化してよく目を凝らして見ないと、その存在さえ分からなくなってしまいました。ウッドデッキに防腐剤を塗ったりメンテナンスに心がけていますが、建築の仕事をしてる息子の話によると、そろそろ外壁にも防腐剤を塗りたいそうですが、費用と手間暇がかかるので躊躇しているようです。

人間牧場水平線の家のウッドデッキで虫干し?をする孫たち

 先日の海の日、所用で孫たちを伴って本村の慶徳寺へ出かけた帰り、海岸国道へ降りず池久保に通じる中間道を通って人間牧場へ出かけました。孫たちは人間牧場の苗床で、カブト虫を見つけたくて、虫篭まで用意して出かけましたが、残念ながらこの日は苗床の上に張った防虫網が破られて、一匹も捕まえることは出来ず、孫たちを大いに落胆させました。
 それでも孫たち3人はウッドデッキに寝転んだり二階のロフトへよじ登ったりしながら楽しそうに遊んでいました。そのうち孫たち3人が「喉が渇いた」と冷蔵庫を開けました。すると冷えているはずのお茶やジュース類がまったく冷えていないのです。可笑しいと思って冷蔵庫の中を覗き込むとスイッチが入っていないことに気がつきました。

 一瞬「冷蔵庫が壊れたのかも」と疑いましたが、部屋のスイッチを入れても電灯さえ全て点かないのです。急いで部屋の壁に備え付けている配電盤の蓋を開けてスイッチ類を入れたり切ったりしましたが、これまたウンともスンとも言わないのです。困り果てて息子に電話し、電気工事をしてくれた親類従兄弟の若松電設に連絡を取ってもらいましたが、これは電力会社へ連絡した方がいいという話になりました。
 祭日だったこともあって、連絡に時間がかかり、午後4時に四国電気工事の人が修理にやって来ると言うので一旦山を下り、息子家族と午後2時ころ再び人間牧場へ出かけ、息子嫁が冷蔵庫の中身を全て外へ出し大掃除をしてくれました。

まるで啄木鳥のように電柱に登って作業する四国電気工事の作業員

 孫たちが少しぐずるので息子は家族を乗せて下り、私一人が留守番をしていました。背もたれ椅子に座って本を読みながら、明くる日に迫った伊予市いっぷく亭での「笑いの力」という講演の構想を練りました。そのうち息子も、四国電気工事の担当者2人もやって来て、テスターで原因を調べ始めました。まず電源元のメーター、続いて引込み線の電柱と感電防止の服を着た担当者は調べて回りましたが、異常は見つからず、結局はずっと下のトランスの設置された電柱まで車で向かい、その間2時間近くもかかり、帰ってきたのは午後6時でした。聞けばトランスに雷が落ちヒューズが2本切れていたとのことでした。復旧した通電確認のため、あちらこちらのスイッチを入れ完全に復旧していることを確認した担当者は、水平線の家やロケ風呂を見学して帰って行きました。

 そういえば梅雨明け間近なこの最近、よく雨が降り雷が鳴りました。雷鳴が轟く度に、落雷で黒く焼けただれた人間牧場の直ぐ横にある、樹齢200年のヤマモモの木を思い出すのです。ヤマモモの木は落雷の洗礼を受けながら、枯れることなく今も生き続けていますが、電柱で良かったと息子と話しました。お陰で息子と水入らずで色々なことを話すことが出来ました。

  「冷蔵庫 開けてビックリ 冷えてない 喉の渇いた 孫たち残念」

  「原因は 落雷二つ ヒューズ切れ 原因分かり ホッと一息」

  「電柱に 登った姿 啄木鳥に 思わず似てる カメラでパチリ」

  「雷に 悪戯されて 電気消え 冷やしたものは 全て処分す」 

[ この記事をシェアする ]