shin-1

○秋田県横手の街は凄いです③

 前日の交流会が1次・2次・3次会と深夜にまで及び、ウーロン茶と焼きそばの余韻で眠れない夜を過ごしたため、気がつくと時計の針は午前7時を回っていました。急いで身支度を整え思い切って戸外へ出てみました。昨夜からの雪は止んでいましたが辺り一面銀世界、まるでモノクロの写真を見ているような雰囲気でした。

(横手セントラルホテルのエレベーターの窓から見える雪景色)

(ホテルの前の道路の街路樹もまるで白い花が咲いたようです)

 舩木さんと同行の小林さんと三人でバイキング料理の朝食を済ませ、約束の午前8時45分きっかりに横手市物産観光課の方たちが出迎えにやって来ました。市内を視察して何かアドバイスをして欲しいという願いからの見学なのですが、最初に出かけたのは市役所の直ぐ横にあるふるさとセンターかまくら館でした。ここには年中マイナス10度に保たれた冷蔵庫のような展示室にかまくらが置かれいます。横手=かまくらというイメージが定着しているための展示なのですが、妻は友人たちと旅行に来て本物の横手のかまくらを見ているものの、私は初めてとあって興味深く見せてもらいました。私が想像していたかまくらはエスキモーが作っている炭窯風のものでしたが、円筒形なのにも驚きました。

 センターの入口には梵天も置かれていて凄い迫力でしたが、秋田市で秋田竿灯の体験展示を見ているだけに、少し雑然として展示方法に難点があると感じました。

 その後私達は増田の座敷蔵を見学しました。この地域には座敷蔵が70とも80ともいわれているそうですが、とにかくその規模の壮大さと優雅さには度肝を抜かれました。ケヤキの木の木組みやそれらを漆塗りで仕上げた匠の技は、今まで見たこともないような立派さです。かまくらも確かに横手を代表する文化かも知れませんが、この内蔵は全国級だと直感し、舩木さんと二人で様々な提案をしました。多分この文化を理解し情報発信すれば、やり方によっては冬の横手を変えるかもしれないと予感しました。こうした文化財を活用したまちづくりは市役所職員の誰かがまずその価値を信じて先鞭をつけることから始まります。誰がその役割を担うのか、それは夕日でまちづくりをした私のような存在を考えれば明らかです。市役所の無理解と地域の冷めた状況を覆して行くのは骨の折れる仕事でしょうが、そのハードルを越えねば地域は活性化しないのです。

(座敷の中に座敷があるという表現がぴったりの座敷蔵の外観)

(座敷倉の内部)

(座敷蔵の中は中二階になっていて二階部分も立派で、二度びっく

りでした)

 舩木さんと私は座敷蔵と日本舞踊、落語、食文化などとコラボレーションする事を幾つか提案しましたし、その手助けをする事を約束しました。
 私たちはその後、釣りキチ三平のふるさとと呼ばれるまんが美術館を訪ねました。横手市増田出身で「釣りキチ三平」の作者、矢口高雄さんのアトリエを再現したまんが工房は、矢口さんの人脈の広さで集めた日本全国の有名漫画家の原画が沢山展示されていました。入場料無料とは何とも勿体ない話です。

(釣りキチ三平は日本中でも有名なマンガです)

(生涯学習センターホールの緞帳も釣りキチ三平でした)

 慌しい最後はあきたふるさと村です。美術館、トリックアート、手づくり体験工房など複合テーマパークで、秋田県のお土産が全て購入できるようになっていました。年間80万人ともいわれる集客をしているそうですが、第三セクターも経営的にはかなりきついようでした。

(雪景色の秋田ふるさと村)

(ふるさと村ののロビー)

(テナント運営している物産館)

(雪の重みで曲がった竹)

(ふるさと村で稲庭手延べうどんをご馳走になりました。四国は讃岐うどんがありますが、絹のような滑らかな喉越しはやはり名品でした)

  「驚きの 目で見た増田 座敷蔵 これを活かせば 横手は磐石」

  「稲庭の うどんが勝った 料理ショー 讃岐も負けじ ご当地ひいき」

  「かまくらを 初めて体験 冷蔵庫 今度来るときゃ 本物みたい」

  「珍しき 人には雪も いいけれど 住んでる人には 厄介荷物」 

[ この記事をシェアする ]