〇民俗資料の迷走
私はかつて若い頃双海町教育委員会で社会教育に携わっていました。その折廃れ行く民俗資料と思える古い民具を住民から寄付を受け収集しました。かなり本格的な収集だったので点数ははっきり覚えていませんが、かなりの量に上りました。
展示する場所も方法も考えずのとりあえず収集だったので、郵便局が移転したのを機にその跡地にとりあえず展示保存をしていましたが、郵政省の方針と市役所の思惑が一致して旧郵便局舎は取り壊され消防支所を造るることになり、行き場を失った民具類はとりあえず一軒隣りの農協倉庫へ移転しました。
農協倉庫も老朽化が激しく取り壊されることになり、その民具は平成の合併と学校統合で閉校となった中山永木小学校へ移されました。双海町の民具の中には海に関する物も沢山あって、海の物が山の学校に置かれるのも不自然な話です。ところが永木の住民が学校跡地を使いたいという話がつい最近持ち上がり、またもやこの民具が同じ中山町の旧野中小学校へ移転する話が水面下で持ち上がっているようです。
伊予市の文化行政の行方も定まらないまま、このまままた移転となるとどうなるのか、私は双海町史談会の会長をしていることもあり、その行方の危うさに気を揉んでいます。色々な人に相談しより良い方向へ導くのは私たちの仕事。ましてや収集した当事者だけに寄付をしてその教育的利用を託されただけにその説明責任も果たさなければなりません。頭の痛い問題です。私案はあるのですが・・・。