人間牧場

〇草むらでハサミが見つかる
 毎日1万歩を目指してウォーキングをしていますが、ある90歳の人が私に言った言葉を時々思い出しています。「70代は毎年体力の衰えを感じる。80代は毎月体力の衰えを感じる。90代は毎日体力の衰えを感じる」と・・・。そんなことはあるまいし他人事だと思っていましたが、いざ自分が70代後半の77歳になると、「なるほどなるほどこういうことか」と、自分に忍び寄る体力と気力の衰えを年々感じています。

見つかったハサミと買った新しいハサミ

 体力も気力もまだそれほど衰えたようには思いませんが、記憶力が散漫になったことは事実です。農作業をしていても、使った道具の置忘れが多くなり、「鍬は、鎌は、ハサミはどこへ置いたか?」と、しょっちゅう探し回っています。最近愛用の剪定ハサミをどこへ置いたか分からなくなりました。いくら探しても見つからないので仕方なく、先日出掛けた折ホームセンターで新しい剪定ハサミを買って帰りました。

 ところがところがです。昨日息子がカブトムシ配布のため、ディスプレイ用に育てているクヌギの鉢植えを全ても持ち出し、無事イベントを終えて鉢植えは戻ってきました。元の場所に戻すべく草を引いていると、何やら見覚えのある剪定ハサミが草の中で見つかりました。「な~んだこんなところに」と思いながら、なくして間もない時は「息子が使ってどこかに置き忘れたに違いない」と息子を疑ったりした自分を恥じました。

 約1ヶ月も草の中に埋もれていたため、剪定ハサミは赤錆が付いていたので、早速ねじ回しで分解し、砥石で奇麗に研ぎ、オイルを引いて元通りになりました。試し切りをしてみましたが、しっかりと切れてまた私や息子の手仕事を手助けしてくれるものと思われます。朝ご飯を食べることやトイレに行くこと、夜お風呂に入ることなど、今は当たり前のことを当たり前にできますが、80代・90代と年齢を重ねると、その当たり前さえ出来にくくなるようです。90歳の人が言った言葉がいよいよ現実になりつつあるようです。歳は取りたくないが…これも現実です。

「ある人が 70・80・90を 言っていた 年々・月々 日々の思いに」
「剪定の ハサミ紛失 ひょっとして 息子犯人 疑いかけた」
「草むらで ハサミ発見 置き忘れ 俺もボケたと 納得しつつ」
「砥石にて ハサミを研いで 試し切り 切れ味復活 嬉しい一日」

 

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