〇さすが弟子
3年前、「マラソン大会で優勝したら好きなものを作ってやる」と孫と交わした簡単な口約束で、ひょんなことから始まったミニハウス造りの折、孫奏心と私は「私が師匠孫が弟子」というこれまた口約束を交わしました。それ以来何かあれば師匠と弟子の関係を保ちつつ色々なことをして楽しんでいます。
新型コロナウイルスの影響で2ヶ月半の休校を余儀なくされた孫奏心と孫希心を相手に、5つのプロジェクトを立ち上げ卓球ラケット作り、ハンモック作り、イカダ作りをした折も、師匠と弟子の関係が復活し、毎日寸暇を惜しんでプロジェクト事業をこなすなど、それは楽しい2ヶ月半でした。
師匠の私が常々弟子の奏心に言っていることは、「弟子は道具の名前と、使った道具の在処を覚え、使った後は元の場所へ必ず戻しておくこと」「仕事が終わったら片付けたり掃除をしたりすること」の2つです。孫希心はそのことをしっかり守り、今では自分で道具を持ち出して使うほど上達しているのです。
先週の日曜日、私が外出して留守の間に、息子たち家族4人は自分たちが担当している中庭の除草や庭木の剪定をしたようです。その折使ったと思われる道具の中で剪定ノコが昨日どうしても見つからず、息子に聞いても「使ったけどどこに置いたか覚えていない。奏心に聞いて」とのつれない返事でした。
昨日弟子の奏心に聞くと、「使った後倉庫にしまっている」とのこと、案内されて倉庫に入ると剪定鋸は棚の上にきちんと戻されていました。「さすが弟子」と褒めると、「使ったら元に戻すのは師匠の教えだからね」とさりげなく答えてくれました。「さすが弟子」と小学校5年生になった孫奏心の成長ぶりに、師匠の私は目を細めました。
「愛用の センテイノコが 見つからず 息子に聞いたが チンプンカンプン」
「3年も 前に交わした 師匠・孫 口約束だが 今も続いて」
「使ったら 元に戻せと 教えたが しっかり覚え 忠実実行」
「目を細め 師匠が誉める さすが弟子 昨日一日 ほのぼのでした」