人間牧場

〇強風南風の痕跡(その2)

 昨日の夕方と今朝、毎日一万歩を目指すウォーキングに出かけました。出会う人毎に「おはようございます」というあいさつの後に、「強いやまぜ風でしたね!!」と付け加え、立ち止まって風にまつわる立ち話をしました。私も憤懣やるかたないジャガイモの茎を折って去っていった、風への恨み節を吐露しましたが、皆さん一様に多かれ少なかれ被害にあったようでした。

まるでジュータンを敷き詰めたような山道
まるでジュータンを敷き詰めたような山道
普通はこんな綺麗な道
普通はこんな綺麗な道

 ウォーキングが坂道に差し掛かり、その行く手を見ると何やら道の上の地面が見えないほど杉葉・桧葉がうず高く、まるでジュータンを敷いたようになっていました。よく見ると今日昨日の大風が木々を揺らし、枯れた杉葉・桧葉を落としたようでした。ここら辺の杉山や桧山は、昔みかんを作っていた果樹を伐採し、その後に植林した場所が多く、枝打ち等の管理が行き届いていないため、下枝は枯れてそのままになっていて、今回の南風が振り落としたものと思われます。

 コンクリート舗装の上に積った杉葉や桧葉は歩くのに邪魔で、小枝のついたものは歩きながら、拾い集めて山の中へ返していますが、当分この作業は続くものと思われます。沿線に果樹園農地がなくなったため歩く人も殆どなく、今では私専用のウォーキング道になっていて、コンクリートの道の奥まった土道は、私が毎日歩くことによってまるで踏みつけ道のように一際綺麗な道になってきました。唯一残っていた山小屋と農地の持ち主のおじさんも風の噂によると最近、高齢と病気を理由に広島に住む娘さんが引き取られ、この町を後にしたとも聞き、何とも寂しくなりました。

 私にとってこの道は、退職後11年、毎日健康維持のために歩いているウォーキングパラダイスです。多分この道がなかったら、自分の今の健康はないものと思えば、有難い道なのです。体力づくりのつもりで暇を見つけて熊手を持って行き、掃除でもして少し恩返しをしようかとも思っています。風が運んだ思わぬ痕跡に、意味もなく心を動かした朝でした。

  「南風 木々を揺らして 葉を落す 道にはまるで ジュウタンのよう」

  「手入れとて 行き度置かない 木々ゆえに 落ちた枯葉は 半端じゃないな」

  「この道が なくんば私 健康で 日々は暮らせぬ 少し掃除を」

  「意味もなく 心痛めつ ウォーキング ウグイス鳴きて 我に帰りぬ」

 

[ この記事をシェアする ]