〇散髪で男前を上げました
歳をとると、「格好良く見せたい」と思う見栄っ張りの心持ちも失せて、あれやこれやがうっとうしくなってしまいます。私の年齢だとどちらかというとご隠居さん的雰囲気なので、妻から「歳をとると身だしなみはきちんとしないと私が笑われる」と、時々注意をされます。「お前の見栄のために生きているのではない!!」と強がって反論しますが、心の中ではそのとおりとばかりに反省しています。
新年度のこの時期は、リタイアしているのに入学式等への案内があり、何かと出る機会が多いので、「頭が伸びているのでそろそろ散髪しないと」との妻の忠告を聞き入れて、馴染みの町内の散髪屋へ出かけました。最近は千円散髪が流行っていて、私の知人や友人は隣の街の格安店へ鞍替えしたそうですが、散髪屋の夫婦の顔を思い出すと、義理人情に弱い私としてはそれも出来ず、相変わらず3千4百円と、3倍もするお店に通っています。
私の場合は若い頃からの短めの髪形は殆ど替わらないので、椅子に座ると何の注文をしなくても、流れ作業で刈り込まれ、奥さんが髭剃りと洗髪で仕上げてくれるのですが、その間世間話に花を咲かせたり、気持ちが良くなってついウトウトと、浅い眠りに誘われたりするのです。昔から「散髪屋と風呂屋は噂話の発信元」なので、今回も私の知らない世間話をいっぱい仕入れることができました。
帰宅していつものように定点観測のつもりで、自画像をデジカメを自動にして撮りましたが、頭を綺麗にして清々しくなった気持ちとは裏腹に、頭の白髪も多くなり、顔のシワも増えたような気がしました。でもこの歳にしては白髪も少なく、禿てもいないのでまだましだと、内心喜んでいます。「顔に自信を持ちなさい」と言われますが、生まれつき「醜いアヒルの子」のこの顔は直しようがなく、諦めるしかないようです。
「散髪に 行ったらどうか 妻が言う 思い腰上げ 誘いに乗って」
「歳とると 世間の目など 無頓着 身だしなみには 注意しなけりゃ」
「友人は 僅か千円 格安で 義理と人情 簡単捨てる」
「白髪なく 禿てもいない この頭 まあまあいいと 自分納得」