〇高知へ行ったついでの立ち寄り雛祭り
普通高知県へ行くには伊予インターチェンジから高速に乗って、川之江経由で高知入りしますが、急ぐ旅でもなく、ましてや仁淀川沿線の県境付近となると話は別で、砥部町から久万高原町を通る国道33号線を通ります。カーブが多く嫌がる人もいますが、私はこのルートが好きで、高知県へ行った帰りにはわざわざこのルートを通ったりします。このルートも三坂馬子唄や傘地蔵民話で有名な三坂峠の難所を迂回する準高速道路のようなバイパスが出来て、時間的には随分短縮されました。
今回の高知行きには妻も同行したので、トイレ休憩のつもりで久万高原町の雛祭りに立ち寄りました。先日北海道佐呂間町の船木さん率いるオホーツク寒気団の一行が、わざわざ見学にきただけあって、まだ2~3年目とは思えぬ充実ぶりで、穏やかな春の土曜日午後ということもあって、そぞろ歩きの人たちが沢山訪れていました。街中・街角にお雛様を飾る地域づくり手法は各地で行なわれていますが、久万高原町の雛飾りは規模とアイディアでは群を抜いており、さすが久万高原町という感じでした。
今の世の中は暇と金、それに好奇心のある元気な高齢者が多く、そぞろ歩きの人たちの中には、何人も何組も顔見知りの人がいて、「あら若松さん!!」とか「お元気ですか!!」と気安く声を掛けられ、同行した妻も恥ずかしいのか、少し距離を置いて歩いていました。できれば風の噂で病に伏せっていることを聞いていた、親友の商工会渡辺さんの見舞いでもと様子を探りましたが、まだ入院中とのことでした。渡辺さんは郷土愛の塊のような人で、彼の行動力が久万高原町の下支えになっていることを、地域づくりの仲間内で知らない人はいないほどです。
高速道路は人と情報の流れを変えますが、のんびりゆっくりや、温かい心を味わうには33号線の人の流れくらいが丁度よく、束の間の春を大いに楽しみました。「久万高原町っていいとこね!!」と妻が言うように、私たちの町などお呼びもつかないキラリ光る町なのです。ふと久万町を今日に導いた河野元町長(故人)、渡部元助役(故人)、玉水前町長さんなど、深い親交のあった顔々を思い出しました。私もいつの間にか昔を回顧するそんな歳になったかと、一人苦笑しました。
「高知県 所用の途中 立ち寄った 久万高原町 雛祭り見ゆ」
「『わあ凄い』 『ワア綺麗』だと 妻感嘆 納得しつつ 街中歩く」
「『あら元気』 聞く先々で 立ち話 妻は遠慮し 一二歩離れて」
「雛祭り 日本の文化 息づいて どこか懐かし 郷愁そそる」