〇庭木の剪定
親父が亡くなって3週間が過ぎました。毎日在宅介護して親父を中心にした暮らしをしていた私たち夫婦は、内心ホッとした感じもしていますが、どこか空しさもあって、昨日は親父の隠居にある冷蔵庫に、念仏に来てくれる親族に呑んでもらうためのビールを冷やしていましたが、念仏が終ってビールを取りに行った誰かが、親父の台所の電灯を点けたまま消し忘れていて、そのことに気がついた私が寝る前に消しに行きましたが、まるで親父が生きていた時のような錯覚をしてしまいました。
親父といえば夏のこの時期になると、庭に自分が植えた庭木の剪定をしている姿を思い出しますが、今年からはその役目が私にバトンタッチされました。葬儀や仏事のゴタゴタで、庭木の手入れなど手につきませんが、そろそろやらねばと昨日、蜂蜜の採蜜作業が一段落したので、見よう見真似で松の木の剪定に取り掛かりました。雑木はどこを切ってもどこからでも芽を吹きますが、松の木はそういう訳には行かず、業者さんに頼もうかとも思いましたが、自分でできることは自分でしようと、思い切って一番大きな松の木に脚立を当て、腕抜きや軍手をはめて剪定を始めました。
松の木はその手入れに手間がかかって厄介だし、松くい虫の心配もしなければならないので、殆どの家の庭から松が姿を消しつつあるようですが、常緑の風格は松の木に敵う庭木は見当たりません。昨日の日中は35度近くまで温度が上がる猛暑で、炎天下の作業は大汗をかいてしまいましたが、何とか半日で下手糞ながら1本の松の剪定を終えることができました。上手くできたかどうかは今後の芽吹きを見ないと分りませんが、まあそれなりといった感じでした。今日は高さ5mもある大物のクロガネモチの木に挑戦です。くれぐれも怪我のないよう、親父の意志を継いで行こうと思っています。
「親父死に 庭木の手入れ 委ねられ 親父の苦労 今更ながら」
「松の木は 何と手間暇 かかるのか 半日かけて たった一本」
「脚立たて 登って剪定 する姿 妻が言うには 親父そっくり」
「熱中症 ならぬようにと 水を飲み 炎天大汗 かきつつ剪定」