人間牧場

〇今日は友引

 親父が亡くなったのは一昨日の夕方でした。その日は涙の乾く暇もない中で、葬儀に関する話し合いを殆ど知識もないまま、祖母や母の葬儀で経験した幾つかを思い出しながらやりました。私の頭の中では「もしも親父に何かあったら・・・」という意識が働いていたので、ダイニングの壁に吊るしているカレンダーを何げなく眺め、日日の下に先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口と小さく書かれた六曜を見ていたので、もしや友引で一日延びるのでは?と気になりました。

 おっつけやって来たJAルミエールの葬儀担当者から、明日は友引なので通夜は13日、葬儀は7月14日です」と告げられ、科学的には何の根拠もないであろう六曜に従わないと、火葬場が休みという事実も知ることができました。先人が長い年月をかけて守ってきた民族の風習を破って、友引に葬式をするほどよもだではないので、仕方のない事実として受け入れ、その言葉に従って友引を避けましたが、予想はしていたものの急な親父の逝去で動転していた家族の心に、一服一休みの涼風が吹いたことは事実です。

 今日7月13日月曜日は凶禍が友人に及ぶとする友引です。今日は夕方6時30分から自宅で通夜を営みます。「家の畳の上で死にたい」と口癖のように言っていた親父の願いを叶えてやることができましたが、この上はせめて親父の人生の大半を過ごしたこの家で通夜を営み、親父の人生を偲んでやろうと思っています。12人兄弟姉妹の長男らしく、既に親類縁者多数の弔問や来訪を受け、96歳という天寿を「老衰」という形で幕を引いた親父を、むしろ涙より微笑で送ろうとしています。友引を強く意識した一日になりそうです。

  「友引で 葬儀一日 遅れそう ふっと一息 肩の力が」

  「友を引く 六曜友引 言い伝え 忠実守り 今日はお通夜」

  「お医者さん 老衰ですと 診断書 書いてもらって 安堵の胸を」

  「涙より 微笑似合う 親父の死 長寿全う みんな喜ぶ」

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