人間牧場

〇子どもたちはお餅とかき餅が大好き

 一昨日人間牧場で行った子どもおもしろ教室は、ジャガイモ植えでした。15組30人ほどの親子が集まりましたが、春まだ浅い寒い時期なので、心ばかりの暖かいもてなしをしてやろうと思いつき、妻に頼んでぜんざいを作ってもらいました。いつものことですが汁物を、8キロもある狭い曲がりくねった山道道中を運ぶのは、軟いことではなく、恐る恐る零さないよう注意をして運んでも、汁が垂れてしまうのです。鍋を更に大きい鍋に入れ二重にしたお陰で、車を汚すことはありませんでしたが大変でした。

子ども体験塾感想文書き
子ども体験塾感想文書き
ストーブの上で餅とかき餅焼き
ストーブの上で餅とかき餅焼き

 

飛ぶように売れる焼き餅・焼きかき餅
飛ぶように売れる焼き餅・焼きかき餅

持って行ったぜんざいを大鍋に移してかまどにかけて沸かし、その中に妻の用意してくれたお餅を焼いて入れるのですが、餅を焼くのは薪ストーブの上です。息子が火を入れてくれたお陰で火力が強く、お母さんたちが顔を真っ赤にしながら火傷しないように注意をして焼いてくれました。一人2個+10個=70個の餅を焼くのは容易なことではありませんでしたが、この時期にしては珍しいお餅の登場に、子どもも大人も目を丸くして、ぜんざいに入れた餅を美味しい美味しいと頬張りました。餅と一緒に半乾きのかき餅も焼いてやると、子どもたちはストーブの前に集まり、「頂戴」「下さい」と先を争うように食べ始めました。

 餅やかき餅がこんなに人気があるとは知りませんでした。人間牧場では汗をかくこと、つまり労働をすることを基本にしています。下灘コミセンから人間牧場まで歩くことも汗であり、サツマイモやジャガイモを植えたり収穫したりするのも、全て汗の教育です。またかまどを使ったご飯や味噌汁などの素朴な食事も基本です。飽食の時代に馴れた子どもたちにとって、時には野草まで食べる質素な食事は、決してご馳走とは言えません。しかし汗がそうするのか子どもたちは、いつも感心するほどの食欲で、用意した食事は毎回完食なのです。今回のぜんざいやお餅、かき餅も完食の手合いでした。子どもたちに毎回かかせている感想文も、5W2H教育のお陰で、少し上達したように見え始めました。

  「汗をかく だから素朴な 食事でも 完食手合い いつも驚く」

  「参加した 親も子どもも みんなして 破顔一笑 幸せそうで」

  「飽食の 時代に育つ 子どもたち 餅やかき餅 先を争う」

  「感想文 楽しいことを 2~3行 これでいいのだ これでいいのだ」

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人間牧場

〇私は足長おじさん?

 冬の間は朝6時30分でも外が暗く、夕方5時になると陽が暮れていましたが、さすがに春の予感がするこの時期になると、ジョギングに出かける6時30分にはすっかり夜が明け、ルンルン気分で一日が始まります。昨日人間牧場の山道を歩いていると、私の影が朝日に照らされて、長く伸びているのを見つけました。早速車に積んでいたタブレットを取り出して、遊びのつもりで自画影を撮影して見ました。

私の足長影
私の足長影

 私はどちらかというと胴長短足の純日本人タイプの人間なので、子どものころから足の長い格好いい人に憧れていました。特に青年時代は石原裕次郎などの映画を見る度に、自分の胴長短足を嘆いていました。人間は自分の欠点を嘆き、自分の欠点を長所に持っている人を羨ましがったり憧れたりするものです。しかしそれもいつしか叶わぬ夢と諦めてからは、自分を見失うことなく生きてきたつもりです。

 私の影は光線の悪戯ですが、実像ながらある意味光が造った虚像なのです。この日私は近くに人の気配がないことをいいことに、また覗きをしたり座ったりして、タブレットをオモチャ代わりに少しの間遊びました。すると運の悪いことに、そこを近所の農家のおばちゃんが軽四トラックで通りかかり、「進ちゃん、何しているの?」と車を止め、窓から首を突き出して私に聞きました。「私が俳優の撮影会!!」と言うと、「俳優って誰?」と聞き返しました。

 私は自分の影を指差しながら、「ほら石原裕次郎みたいな足の長い人」と指差すと、「あんたも面白い人じゃねえ。笑い話みたい!!」と大笑いし、「一緒に写真に写りませんか?」と言うと、呆れた様子で首をかしげながらその場を去って行きました。世の中は高杉晋作が言っているように「面白き ことをなき世を 面白く すみなすものは 心なりけり」です。楽しいと思えば楽しいのです。かく言う私も、自分自身の挙動不審に呆れた束の間でした。

  「春が来て 日脚すっかり 長くなり わが姿さえ 足長になり」

  「持っていた タブレットにて 足長の 自画像撮って 満足馬鹿だ」

  「何してる? 通りすがりの おばちゃんが 不審行動 首をかしげて」

  「面白き こともなき世を 面白く これがモットー 笑い飛ばして」 

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