〇鳥の落し物
わが家の庭には柿、みかん、ヤマモモ、南天、クチナシ、クロガネモチ、千両、万両、椿、山茶花など花の後に実をつける木々が沢山あります。特にこれから冬になると野山にドングリ等の食べ物が少なくなるため、野鳥が庭に沢山やって来て、これらの実をついばむほほえましい姿は、まるでバードウォッチングを楽しむような感じです。特に私たち夫婦のダイニングにある、大きな掃き出し窓からはその姿がリアルに見えて、癒しの空間なのです。
庭を散歩したり草を引いたりしていてふと気付くのですが、木々の根元には落ちたり鳥が啄ばんで糞と一緒に落とした種が、知らず知らずのうちに芽吹いているのを時々見かけるのです。季節は移りて晩秋となり、向かいの山も日増しに紅葉し始め、庭の山茶花の花が今年も咲き始めましたが、その根元に山茶花の花とは違う西洋椿のかなり大柄な花を見つけました。植えた訳でもないこの花は、周りに西洋椿の花がないゆえ、明らかに野鳥による食媒・糞媒だと思うのです。
椿は本来冬から早春にかけて咲く冬の花ですが、早咲きの山茶花の花に誘われて咲いたものと思われます。さて西洋椿の実生苗を、このまま山茶花の根元賑わいに甘んじてそのままにするか、別の場所へ移植をして新しい生き方をさせるか、正直迷っているところです。椿は北向きで陽の当たらない半日陰を好むようで、裏山には自然に生えたヤブツバキの木が沢山茂って、毎年清楚な花を楽しませてくれていますが、見つけた西洋椿には、まだ蕾もあるようなのでじっくり考えたいと思っています。
「山茶花の 花の根元に 人知れず 西洋椿 鮮やかに咲く」
「野鳥にて 糞媒芽吹き したたかに されども気品 漂わせ咲く」
「花を見て 綺麗と思う 私は 感動人間 自分で誉める」
「山茶花の 蕾一輪 切り取って 机に活ける 自分流儀で」