〇次男一生の結婚披露宴(その2)
私もかつて結婚披露宴の司会を、537組という驚異的な数をこなしているので、披露宴2時間30分のストーリーはおおよそ分っていますが、私が手掛けたころの披露宴と根本的に違うのは、媒酌人が姿を消したことと、お義理的な著名人の長い祝辞がなくなったことです。昔は必ずといってよいほど媒酌人がいて、新郎新婦を「〇〇大學を優秀な成績でご卒業され~」とまるで歯の浮くように誉めたたえていました。最近は見合いなどといった型どおりの結婚より、婚活や恋愛で結婚する人が多いため、媒酌人があいさつして披露宴が始まることが少なくなりました。
また披露宴に政治家が多数詰め掛けて長々と祝辞を述べることもなく、主賓祝辞も2人程度となり、家と家より、結婚をする二人が主役になる披露宴になって爽やかさが増してきました。次男息子は高校生の時代から20年を越えて演劇団イリュージョンで活動しているため、プロモーションビデオが上映され、また病院の友人が凄いパフォーマンスを披露して、両方とも参加者の爆笑や度肝を抜かれました。わが家の親族は次男の活動や人となりを知っていますが、新婦側の親族は大いに驚いたようでした。わが家や親類の孫たちにとっては、2時間30分の大人のショーは少し退屈だったかかもしれません。
それでも屋外ウッドデッキでのフルーツやケーキをふんだんに使った、お洒落なケーキパーティには子どもたちも大満足で、そこら辺を走り回って、フーセンを飛ばしたりしながら大はしゃぎでした。勿論私たちも次々と出てくるお洒落な料理に舌鼓を打ち、お酒を飲めない私も満腹の手合いでした。会場の雰囲気も最高で、さすがに人気ナンバーワンだけあって見事な演出に感心しました。わが家には警察官をしている三男がまだ一人身なので、親類の人から「早く結婚しろ」「次はお前の番だ」などと、随分攻め立てられていたようでした。
結婚披露宴の最後には、新婦が両親に宛てて手紙を朗読し少しウルウルさせられました。両母親には花束を、両父親にはささやかなプレゼントを貰いました。花嫁の父親にはホテルの宿泊券、私には温泉の60枚綴りの入浴券を貰いました。最後の締めは両家親族を代表して、父親である私のあいさつでした。何も考えずその場で思いつくまま少し短めのあいさつをしましたが、まあこの程度のあいさつでビビルほど小心者でもないので、参加者にはいたって講評で、お世辞でしょうが「いいあいさつでした」と、沢山の方々から賛辞をいただきました。総じて思い出に残る爽やかな結婚披露宴でした。
「2時間半 孫にとっては 集中力 少し途切れて 少しあくびを」
「親父ゆえ 締めのあいさつ するハメに 用意もせずに 思いつくまま」
「母親に 花束貰い 私には 温泉好きと 入浴券を」
「まだ一人 三男独身 妻は気に してるが本人 あっけらかんと」