〇人間牧場での収穫祭(その2)
人間牧場にやって来た子どもたちはまず水平線の家に入り、荷物を置いてウッドデッキに各班ごとに並んで座らせ、開会式を行ないました。実行委員長の私がサツマイモの話などを織り交ぜながら話し、早速軍手をしてサツマイモ畑へ入りました。一番大きなサツマイモを掘り当てた子どもには商品がもらえるとあって、みんな張り切って手スコップで掘り始めると、あちらこちらから歓声が聞こえ始めました。大きいサツマイモを掘り当てた子どもたちは自分のが大きいと自慢し合い、それはもう大変な賑やかさでした。僅か一時間弱で全ての芋を堀り上げましたが、春にジャガイモを植えた肥料分が残っていたからでしょうか、今年は大豊作で80kg近く収穫することができました。
その後サツマイモをイノシシから守ってくれた金網柵にまきついた雑草を、みんなで感謝の意味を込めて取り除いた後、軍手や手についた土を落とし、靴下を縫いでズボンをまくり、各班ごとに足湯をさせました。短い時間でしたが子どもたちの満ち足りた笑顔が印象的で、ある子どもは「まるで天国へ行ったみたい」などと話していました。この子どもは天国へ行ったことがあるのでしょうか。(大笑いでした)。
早速餅つきを始めました。デモンストレーションのつもりで、最初は鳴り物入りのウサギの餅つきをやりました。鼓状の杵は少し重たく作っているため、私やスタッフが手助けをして全員参加の餅つきで、まず芋の入った一臼の餅をつき上げました。女性スタッフに餡子を入れてもらってみんなで食べましたが、最近の子どもの中には餡子が苦手な子どもが沢山いて、「豆偏に頁を書くと頭になるので、小豆を食べると頭がよくなる」と私が嘘を言ったお陰で、餡子餅は大好評でした。
かまどの鍋いっぱいのイノシシ汁と炊き込みご飯のいい匂いに吊られ準備が出来たところで、屋外にブルーシートを敷いて、屋外での昼食会が始まりました。お腹が空いていたのかみんなお替りをするほどでした。片方ではサツマイモを輪切りにして、女性スタッフがおやつ用のオサツチップスも油で揚げられ、また春のジャガイモ堀りで掘り残したジャガイモも、ポテトチップスとして子どもたちに振舞われました。
子ども体験塾は底引き網体験もそうですが、食事を伴った行事が多いため、生活の知恵を持った婦人会や更生保護女性会の皆さんが積極的にスタッフとして関わってくれることは何よりも嬉しいことで、この日も大勢の協力をいただきました。また中学生や高校生、大学生で組織するジュニアボランティアも沢山育って、裏支えをしてくれていることは何よりも嬉しいことです。私ももう少し及ばずながらこのプログラムに関わろうと思った次第です。子どもたちは大豊作だったサツマイモとお餅をお土産にいただきながら、記念撮影の後元気に山を下って行きました。目出度し目出度しでした。
「サツマイモ 今年はイノシシ 被害なく 大豊作で 子ども喜ぶ」
「木の臼と 自作の杵で 珍しい ウサギの餅つき 目茶楽しく」
「イノシシの 肉入り汁に 舌鼓 お餅も全て 好評でした」
「食事世話 女性協力 してくれる お陰でいつも 美味しいご馳走」