〇蜜蜂社員5千匹の社長は私
人間牧場も裏山も、10個の蜜蜂の巣箱は今のところ順調なようで、蜜蜂たちは自分の巣箱の位置を忘れることもなく出入りし、忙しく働いてくれています。先日私のブログに、蜜蜂の巣箱をアパートに例えて書いたところ、友人から面白い表現だと書き込みがありました。そこで蜜蜂の働きぶりを見て思うことは、会社の経営です。私は蜜蜂会社のオーナーです。オーナーの私は、まず自分の能力に応じた10個の巣箱を用意しました。そしてその巣箱を蜜源や日当たり等を考慮して、人間牧場と裏山に置きました。私は本社たる自宅にいて色々と段取りをしますが、社員は社長の私と蜂蜜を精製する工場長たる息子の、たった2人だけです。私は蜜蜂の飼い方や作業手順を教えてもらえる井上登師匠というコンサルを持っています。どうすれば働きバチという社員を沢山集めることができるか、どうすれば良質な蜂蜜を採集することができるか、様々な智恵を教えてもらい、それをマニュアルにしながら、一年間の作業を組み立てて実践するのです。
10個の巣箱は支社か営業所のようなものです。巣箱の中をデジカメで時々覗いて営業状態を調べていますが、巣箱の中には無数の働き蜂の社員が蜂玉を作って群がり、営業所長である女王蜂の支持に従って、巣作りから巣の管理、蜂蜜の収蔵まで、本社社長の支持などまったく気にもせず、蜂蜜収蔵の営業成績を上げるため、社長の私が昼寝をしようが出張していようが、一日中休むことなく働いてくれているのです。まるで10個の営業所が営業成績を競うように・・・・・。
私の営業所への口出し介入は、営業所開設時の日本ランキンリョウヘンの設置と蜜蝋塗り、それにスムシ対策とスズメバチ対策くらいなものです。今年はキンリョウヘンと蜜蝋のお陰で、遅い早いの差はあっても、営業所は全て順調に営業を始めています。問題はこれからの巣の管理です。スムシは蜂の天敵なので、小まめに掃除をしてやらなければなりません。またスズメバチも秋口になると巣箱の前で待ち構えて、辺り構わず社員たる蜜蜂を食い殺してしまうのです。
仮に一箱に500匹のミツバチがいるとすると、社長たる私は10箱×500匹=5000匹の社員を抱えていることになります。いやはや5000匹の社員とは大企業です。しかし社長だからと威張る訳には行きません。営業所の中身は女王蜂たる営業所長次第で、営業成績も晩秋のころ巣箱を開けてみなければ、どれほどの蜂蜜がつまっているのか正直何も分らないのです。去年は目標の5升を大きく上回る10升の営業成績を収めました。今年もその程度欲しいのですが、余り欲を出すとロクなことがないので、昨年の目標の5升に少し上乗せをした程度に設定をしています。
本社社員の息子は、糖度や純度にこだわったり、瓶詰め作業やラベルのデザイン等に情熱を燃やしていますが、はてさてどうなることでしょう。高知県馬路村の親友木下彰二さんの仲介で、蜜蜂の巣箱をひとつ貰って始めた養蜂も、早いもので6年目を迎えました。井上登師匠の指導で、今では5000匹の社員を抱える立派な蜜蜂会社に成長していますが、今年こそはミツバチに刺されないようにしたいと、自戒の念を込めて会社経営に当たろうと思っています。
「ミツバチが 社員であるなら 五千匹 私は会社の 立派な社長」
「夜昼を 問わず休まず 働いて 蜜を集める 働き蜂たち」
「10箱の 巣箱はいつも 闇の中 女王蜂たる 蜂の指図で」
「蜜蜂は 周囲2キロを 飛び回り 営業続け 蜜を集める」