〇心配の種は尽きない
他人から見れば幸せそうに見えるわが家にも、心配の種は幾つもあります。その一つは何といっても今年の9月で95歳を迎える親父の老化です。若い頃鼻ガンを患い上顎を切除しているため、入れ歯の噛み具合が難しく、食べるのに人苦労なのです。食べ物は固い物や柔らか過ぎるものも駄目で、母が亡くなってからこの13年間、ずっと食事の世話をし続けてくれている妻には、相当な苦労をかけていますが、それ以上に本人が辛いだろうと思うものの、どうすることも出来ず、ただただ愚痴をこぼす親父の話しを、親身になって聞いてやる以外方法はないのです。
先日親父の従兄弟の若松繁雄さんが79歳で亡くなりました。親族が亡くなると親父の気分の状態を見て話すようにしていますが、少し気分が良いようなので話すと、「いよいよわしの番かも」と直ぐに落胆してしまいました。
昨日は一日中雨模様で、畑に出て身体を動かすことができないもどかしさもあって、いきなり私に「このままだとお前たちに迷惑をかけるから、施設へでも入れてくれ」と言うのです。この話は何も今日始まったわけではなく、体力の衰えを自分自身が感じ始めた4~5年前から時々言うようになりました。時々様子を見に々やって来る姉や妹にも言うそうですが、「施設へ入ったらもうこの家には戻れん」と諭すのですが、私たちの世話になることへのすまないという気持ちなのか、もっと世話をして欲しいと言うシグナルなのか、正直判断に迷うところで、最近は折に触れ隠居に顔を出して親父の話し相手になるよう心がけています。
昨日はわが次男が帰省して親父の所へ挨拶に行くと、「わしはもう長くはない」と言ったそうで、「爺ちゃんは10年前から同じことを言う」と笑って話していました。
もうひとつの妻の最大の悩みは、今年37歳になる次男と35歳になる三男の結婚のことです。男女交際が苦手だと思われた長女と長男はそれなりの人と、それなりに恋愛で結婚をしましたが、普通考えれば次男と三男の極楽とんぼとう条件からすれば、結婚は時間の問題と思っていたのに、何故かまだ良縁に恵まれないのです。妻はそのことが気になって、それとはなしに知人や友人に頼んでいるようですが、看護師と警察官という不規則な仕事柄、未だに良縁に恵まれないのです。結婚は年齢もあるので気を揉んでいますが、本人たちは「そのうちそのうち」と、まさに「親の心子知らず」といった手合いです。
昨日は久しぶりに帰省した次男に、妻が色々と説教していたようです。「あんたはもう若くないのだから」「お父さんももう若くないのだから安心させて」などなど、私の年齢も引き合いの出しての説教でした。
「心配の 種は尽きない いつの世も なるようにしか 世の中ならない」
「交際が 下手と思った 長男が 結婚相手 自分で見つけ」
「看護師や 警察官は 不規則な 仕事だからと 仕事のせいに」
「親長寿 親も心配 するけれど 息子夫婦も 介護心配」