〇焚き火で焼いた焼き芋は美味しい
「今日は天気もよいし温かいので、人間牧場にあるクヌギの木の伐採に行くので弁当を作ってくれないか」と、早朝ウォーキングを終えて7時30分にわが家へ帰り、食事をしながら妻に話すと、「困ったねえ、ご飯がないので弁当は作れない!」と言われました。「いっそのこと、カップラーメンでも・・・」と口ごもるので、「何でもいい」と返しました。「お父さん人間牧場へ行くのだったら、サツマイモとアルミホイルを持って行って焚き火で焼き芋をしたらどう」と、ビニールの袋にカップラーメン、サツマイモ、アルミホイル、みかん、お菓子、お茶などを詰め込んでくれました。
昨日の人間牧場は温度が低かったものの穏やかで風もなく、農作業にはもってこいの一日でした。まず梅林の横に立っている大きなクヌギの木の横枝が梅の木の上を塞いで陰になっているので、枝に梯子をかけてチェンソーで切る準備をしました。アルミの二つ折り脚立を梯子のように伸ばし、梯子の上でチェンソーで枝を2回に分けて切りました。大きな音とともに枝は梅の木を巻き込んで畑に落下しましたが、それを薪の長さに小切りにして上まで担ぎ上げる作業は難儀で、この作業だけで大汗をかいてしまいました。小枝を放り上げて数日前残材を焼いた場所まで運び、杉葉をかき集めて火をつけました。
もう一本のコナラの木は杉垣の根元に生えていて、いかにも癖が悪そうに節や曲がりが多くて、小切りしてもマサカリで割れるだろうかと心配しながらチェンソーで切りました。私が長年使っていたチェンソーは昨年焼きつかして廃棄処分となったため、叔父に貰った少し小型でコンパクトなチェンソーを使っていますが、エンジンの調子も切れ味も最高で、あっという間に全ての木を薪の長さに小切りし終えました。
勢いよく燃える焚き火に残材を足しながら、小切りしたクヌギとコナラをマサカリで割る作業をしましたが、あれほどあった残材も跡形もなく燃やすことができ、焚き火には大量の種火があるので、妻の用意してくれた大きなサツマイモをアルミホイルで包み、火の中へ放り込んで上に火種を被せました。
やがて12時のミュージックサイレンが鳴ったので、作業を中断し水平線の家の中へ入りガスコンロでお湯を沸かし、カップラーメンにお湯を注いで3分間蒸らし、ウッドデッキに座って食べましたが、肉体労働の後の食事は粗末なカップラーメンながら、とても美味しく感じました。一服した頃焚き火の中から木の棒でアルミホイルにくるんだサツマイモを取り出し、中を開けてみると程好い焼け具合の焼き芋が出てきました。焼きたての焼き芋はこれまた抜群の美味しさで、火傷しないようにフーフー言いながら一人至福の時を過ごしました。このサツマイモはわが家の菜園で秋に収穫した鳴門金時のようでした。
余りにも大きな焼き芋だったので食べきれず、捨てるのも勿体ないので、新しいアルミホイルに包んで妻の手土産に持ち帰ってやりました。妻は夕食後のデザートに焼き芋を、電子レンジで温めて食べていましたが、「焼き芋はどんなスィーツよりも美味しい」と、喜んでいました。わが家では素焼きの焼き芋器を使って時々ガスで焼き芋を焼き、味を楽しんでいますが、やはり焚き火で焼いた焼き芋には叶わないと、手前味噌な自慢をしながら、塩味の効いたチリメンをおかずに美味しそうにほうばる妻の、幸せそうな笑顔を飽きもせず見ていました。
「梯子掛け まるで軽業 チェンソー 怪我なく処分 ホッと一息」
「クヌギの木 コナラも加え 薪を割る 一年分の 薪をゲットす」
「焚き火した 残り火使い 芋を焼く アルミホイルで 焦げることなく」
「フーフーと 言いつ頬張る 焼き芋の 味は絶品 一人楽しむ」