人間牧場

〇はかどった薪割り作業と焚き火

 私が子どものころの家庭は、どの家も土間にはかまど、家の裏には風呂場があって、食事の煮炊きから風呂を沸かすまで、全て薪を使っていました。その薪も焚物とか割り木とか呼んでいて、冬の間の寒い時期にお百姓さんに頼んで1間ほどの長さに切った、クヌギやコナラの雑木を買っていました。木が運ばれてくると朝な夕なに鋸で3つに切り分け、マサカリで割って行くのです。それらの作業の殆どは子どもの仕事として親から申し付けられるのですが、弟たち2人は要領よく理由をつけて逃げたり、小さいゆえ役にも立たず、結局は長男の私にお鉢が回って、一年中使う薪の量たるや半端ではないため、小切り、薪割り、片付けなどなどで、難儀な思いをしたことを今もはっきり覚えていて、できることならしたくない作業の一つなのです。

黙々と薪を割る私
黙々と薪を割る私

 人間牧場にはかまど、風呂に加え昨年ピザ釜が誕生しました。風呂こそ灯油ボイラーと薪で沸かせる両用にしていますが、ご飯や味噌汁、それに餅つきなど頻繁に使うかまどやピザ釜で燃やす一年分の薪の量はかなり大量で、確保するのは容易なことではないのです。人間牧場のかまどや風呂ができて6年になりますが、最初は火力と火持ちの良いクヌギの木にこだわって使っていましたが、それだけでは間に合わず、今は薪割り体験というメニューもあるので、杉の間伐材をいただいて使っているのです。
 今年も薪を作るシーズンとなり、一昨日公民館主事さんたちの協力を得て、クヌギ林で手ごろな木を切って人間牧場まで軽四トラックで運んでいたので、スケジュールの合間を縫って割ることにしました。

割り切った薪
割り切った薪

 クヌギの木は生木のままだと面白いように割れるのですが、少し時間を置くと水分が蒸発して木が固くなり割れないという特徴を持っています。加えて余り長く切ると割りにくいことを知っているのも、子どもの頃の体験で得た知識なのです。昨日は午後3時に島根県西ノ島町の南さんが、自宅へ訪ねて来るという一報を貰っていたので、朝食を済ませると直ぐに人間牧場へ行き、一人薪割り作業を始めました。氷が張るなど少し寒い一日でしたが、薪割り作業は汗をかくほどの労働で、前日伐採していた直ぐ下の、シャシャ木や杉の枝打ち残材を、薪割りの横に集めて焼却処分したため、上着を脱いでの作業となりました。お茶やみかんなどを食べて昼食を抜いた作業で、前日の2時間と昨日の4時間ほどでほぼ割り切ってしまいました。

煙たなびく残材焚き火
煙たなびく残材焚き火

 あとは割った木をこのまま数日間寒風で自然乾燥させ、乾いたらピザ釜小屋の中を片付け、誰かの協力を得て積み上げようと思っています。薪をうず高く積んだ風景も人間牧場のインテリアなので、少し綺麗に積みたいと思っていますが、親友の浜田さん以外手伝ってくれる人は見当たりそうにないようです。今年はコンニャク体験もする予定なので、薪はかなりの量を使うだろうと予測していますが、多分昨日の薪割りで確保した分を合わせると、間に合いそうでひとまず安心です。
 そろそろ梅やスモモの剪定も手掛けなければならないし、冬場のの作業は意外と多いのですが、毎年のことながら1月・2月は既に、県内外への講演出張などのスケジュールが立て込んでいて、例年のことながら少し遅れ気味で推移しているようです。

  「薪割りは 子どもの仕事 決ってた しんどい仕事 懐かしき日々」

  「剪定の 残材焚き火 しながらに 一人薪割り 少し汗かく」

  「素性良い クヌギ玉切り したものを 目がけマサカリ 小気味良い音」

  「農作業 遅れているが 少しずつ 手間暇かけて 楽しみながら」 

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