○梅の土用干し
太平洋高気圧が張り出し、天気が安定してきたので、一昨日思い切って塩漬け梅の樽から、漬け込んだ梅を取り出し、庭に広げたサナに梅を広げ、土用干しをすることにしました。今年は樽3つに約60キロの青梅を漬けているので、その量たるや半端ではないのです。
水洗いして干したサナにステンレス製網目の容器で梅酢の中から梅を掬い取り、汁気を取ってサナの上に行儀よく並べて行き、サナが梅で一杯になると脚立で作った干し場に運び天日で干すのです。
昔から梅干は、「三日三晩の土用干し」と言われていますが、土用干しが十分だと梅干が紫蘇に染まって真っ赤になるらしく、大事な作業だと祖母や母から生活の智恵として教わっているので、今年もその通り土用干しをしているのです。
梅干のクエン酸は最近の科学的研究で、抗がん作用があることが分かってきました。しかし一方で一日に摂取する塩分を減らすためには、減塩梅干にする努力も必要なのです。わが家では塩分15パーセントに挑戦しています。そのためカビ防止用としてホワイトリカーを降りかける方法をとっているのです。そのお陰で今年もカビに合うこともなく塩漬けの段階までは順調なようです。
梅の土用干しはあと数日で終りますが、終れば壷や瓶に入れて、漬け汁である梅酢をたっぷり入れ、その上に塩揉みした紫蘇を買ってきて梅の上に置き、地下室へ収納するのです。
梅を収穫するのも土用干しするのも、いつの間にか自由人でサンデー毎日となった、私の仕事になってしまいました。誰に文句も言えず仕方のないことと諦め、毎年この作業はやっていますが、これほどの梅を自家消費できる訳ではないので、梅干が出来たら親類に配って喜ばれるのですが、梅酒も梅干も十分過ぎるほど確保しています。梅干は魚料理や蕗の佃煮を炊く時にも調理用として重宝しています。また夏になると親類から鱧が沢山届くので、鱧を骨切り料理して湯晒し、梅干を裏ごしした漬け汁につけて食べるとこれがもう絶品で、最近は殆んど毎日楽しんでいるのです。
わが家は田舎ゆえ、ワカメや天草などの海草は勿論のこと、梅干や梅酒も全て自給です。日本の自給率は40パーセントと言われていますが、これは国外と国内の比率なので、家庭の自給率となると田舎を除けば殆んどが自給率ゼロに近いのです。その点わが家は野菜類、海藻類、保存食類、果物類などしか自給は出来ないものの、次第に自給率を高めているのです。さあもう一分張り自給率を高めるための楽しさを実感しながら、賢い生き方をしたいものです。
「夏が来て 今年も梅の 土用干し 三日三晩 自然とともに」
「梅干を こんなに作って どうするの? 言いつつ作る あげる楽しみ」
「裏ごしの 梅肉使い 鱧食べる 夏の味覚を 存分楽しむ」
「夏が来た 梅酒冷やして お茶代わり 来客喜び 私喜ぶ」