〇標高634mの明神山に登る(その1)
東京オリンピック以来、日本を象徴し続けてきた東京タワーは333メートルです。ところがつい最近はあれ程持て囃された東京タワーの影が薄くなりつつあるようです。それはスカイツリーというギネスブックで世界一と認証されたタワーが完成間近となって、当然話題がスカイツリーに集中しためなのです。スカイツリーの高さは東京タワーをはるかにしのぐ634mですから、脅威の高さとしか考えられず、改めて日本人の技術力の素晴らしさや技術進歩の速さに目を見張るのです。
東京タワーも333と語呂合わせが良くて、物覚えの悪い私でも直ぐに覚えましたが、スカイツリーも東京が昔武蔵の国と呼ばれていたこともあって、語呂合わせで634(ムサシ)という覚えやすい高さになっているようです。
私たちが子どものころ、頭が悪く物覚えの悪い私たちのために社会化の先生は、年号や高さを語呂合わせで教えてくれました。双海町には幾つかの山がありますが、最高峰壷神山は971mを(クナイ)と覚え、黒山は730m(ナミオ)と覚えました。また牛の峰山は896m(ヤクロー)、明神山は(ムサシ)と覚えました。そんなこともあって、スカイツリーの話題が出てきた時、ムサシという語呂合わせにいち早く反応して気付いたのは私でした。早速子ども体験塾のメニューに、「双海のスカイツリー明神山に登ろう」という企画を織り込みました。最初は海抜ゼロmから歩いて出発しようと、海沿いの道を高野川側から昇る計画を立てましたが、調べてみたものの残念ながらそのルートは殆んど未踏破で道がなく、断念せざるを得ない状況でした。
登山計画は12月10日の予定で、だんだん日は迫るもののルートが決定せずみんな悶々の日々でした。そこで昨日はこの登山プログラムの責任者をお願いしている西岡さんと宮栄公民館長さん、それに担当の赤石公民館主事さん、それに実行委員長の私と4人で事前登山をすることになりました。私と赤石さんは二人で出発地に予定している翠小学校から柆野を経由して犬寄の土俵という場所まで歩いて時間を計測しました。登山道の入口となる土俵で先着車で到着した二人と合流し、登山道に分け入りました。
宮栄さんも西岡さんも70歳を越しているというのに、さすが農家の出身だけあって、長い柄鎌で道を覆っているシダ類をバッサバッサと切り分けて進みました。歳の若い私も柄鎌で掃除をして進みましたが、赤石さんなどは非農家なのでなすすべもなくただ後をついて歩き、時間をメモしたり、休憩場所を確保したりする程度しかできませんでした。
「十日後の 子どもの登山 下準備 柄鎌を持ちて 前へと進む」
「里山は どこへ行っても 荒れ姿 心寂しく 獣道行く」
「俺たちに 負けじと動く 人たちは 筋金入りで 真似もできぬわ」
「毎日の 散歩のお陰 足腰も 疲れを見せず 山道歩く」