○会費千円で呑みに来ませんか
「会費千円で呑みに来ませんか」というお誘いが友人の玉井さんからありました。「私はこの週末孫尚樹のお守りを頼まれていて行けない」と断りましたが、飲み会の目的が広田村あかりの宿の運営を3年間請け負った赤松さんという女性を囲む会だというので、娘に少し早く来てもらって行くことにしました。赤松さんは数日前玉井さんが伴ってわが家の煙会所へ来て、「大人の学校を作りたい」という夢を聞いていたのでそのことが気になってもいたのです。まあ早い話が玉井さんの顔を立てなければならないだけの話なのですが、わが家から山道を通って約1時間ですからかなり遠い道のりなので、妻は危ないからよした方がいいと言いました。
合併前は同じ伊予郡だったこともあり、また役所に勤めていたこともあって頻繁に出かけていた見慣れた山道もすっかりご無沙汰で、うっかり忘れるほどでした。
行きは中山~内子小田~広田も道を、帰りは少しだけ砥部寄りの広田~中山~双海の道を選んで往復しました。あかりの宿は広田の道の駅仙の里の直ぐ上にありました。一度行ったきりなので多少不安でしたが記憶をたどり少し遅れの6時20分ころに到着しました。既に宴たけなわで20ほどのにわかしつらえの椅子は満席でした。玉井さんが私の席を作ってくれ、短めの自己紹介をして宴会に加わりました。会費千円ですからそんなにご馳走はなく無造作に鍋に箸を入れひとまず腹ごしらえをしたところで、討論会のようなものが顔見知りの木村さんと赤松さんの対談のような形で始まりました。
私はほんの少し顔を出したらあくる日が早いので引き上げようと思っていたものの、議論は熱を帯び結局延々3時間も、いつの間にかホワイトボードに記号のような汚い文字まで書いて討論の輪の中にいる自分を発見し、ハッとわれに返りりましたが後の祭りでした。
彼女はこのあかりの宿を砥部町から指定管理者制度に応募して受託して3年間経営したそうです。それほど知名度名ある施設でもないので運営は悪戦苦闘だったと推察しますが、委託期間が終わり再応募したものの選に漏れ去ることになったそうですが、彼女の頭には次の起業構想が芽生えていて、ある意もその説明会のような雰囲気でした。彼女とは玉井さんが事務局を勤める宇和島出身者で作るがいな会で初めて出会っただけですが、南予出身者らしく熱いものを持っていて、昨日の夜もその想いを沢山聞きました。
しかし彼女の夢は参加した人たちが危惧するように、まだまだ起業するに値する構想には程遠く少し危ない面もあるようです。でもそれを押して一歩踏み出すのが若者の特権なのかも知れません。今後波風や山谷もあるでしょうが、何とか夢をかなえさせてあげたいような気持ちで夜道を帰ってきました。
「会費千円で呑みに来ませんか」という甘い言葉の誘惑に負けたばっかりに・・・・・。
「一時間 かけて山道 走り行く 呑み会じゃなく 千円議論」
「夢語る 危ないけれど その夢に 乗りたい気分 いつの間にやら」
「夜の道 右か左か 迷い道 カーナビさえも 行く手示さず」
「えっ内子 えっ砥部ここは 何処だっけ 合併ゆえに 頭混乱」