○「野良がたまに仕事をすると雨になる」って本当でした
私の家では、「伊予路に春を呼ぶ椿さんが終わったらジャガイモを植える」という話を亡くなった祖母や母から聞いていたので、もうそろそろ畑を耕して準備をしなければと思っていました。私以上にサンデー毎日の親父は、ジャガイモの作付けが気になって、「もうそろそろ」と毎日のようにせかせるのです。何度も同じことを言われるとへそを曲げるどら息子の私は、佐賀県の全国大会で少し疲れていたため無視していましたが、大人気ないと心を改め昨日近くのホームセンターへジャガイモの種芋を買いに出かけました。親父はメークイン、妻は男爵とそれぞれ言い分が違うので、メークイン5キロ、男爵5キロ、私は数年前に作って美味しかったコガネマサリという品種を3キロ買い求め三千円を支払って帰りました。
早速耕運機を倉庫から取り出し畑の中興をしました。年末に一度中興をしていたので土は柔らかく、3箇所ともあっという間に終わりました。
さあ植え付けです。糸を張り親父が掘った溝の中へ定規を使って植えてゆくのです。何事にも几帳面な親父は、溝の歪みや植え付けが悪いとすぐに注意されるので真剣にやりました。メークインの植え付けが終わったころ昼になりました。雨がポロポロし始めたので、親父は昼食抜きでやろうと言いましたが、妻が昼食に帰ったこともあって、昼食休みにしたのです。
やがて昼休みを終えて外に出ると、何やら怪しげな雲が湧き立ち雨が本降りになってきました。親父は「野良がたまに仕事をすると雨になると言うが本当に雨になってしもうた」と、皮肉を言いながら片づけして昨日の作業を終えました。せっかくやる気になっていた私は気分をそがれたような気持ちになり、仕方なくあくる日に作業を持ち越したのです。
今日も朝から雨です。この分だと耕した畑は人間が入るとぬかるんで作業どころか土を固めてしまうので、残念ながら今日も作業はお休みなのです。
昨日のニュースで作家の立松和平さんが亡くなったと報じていました。まだ62歳だそうです。田舎くささを感じる立松和平さんに出会ったことはありませんが、どこか共感共鳴するところがあって、大好きな作家の一人でした。惜しい人が私の前からまた一人消えることは寂しいことです。早速立松和平さんの本を取り出して読み始めましたが、今日は雨模様なので読書の時間をとりたいと思っています。
立松和平さんのように、人に影響を与える物書きなど私には到底できませんが、それでもデジタルながら文字を書けるという人間に与えられた道具と知恵を使って、これからも文字を書こうと思いました。何故なら死んでも文字は残るからです。「死んだ後のことまで」とか、「書いたものを残して果たして何になる」と言われそうですが、まあ目くじら立てることもありますまい。
ここまで書いたところで、何と不思議なことにこの一ヶ月、文字の変換が中々できなかったパソコンの具合がすっかり直り、スムースになったのです。行間キーがまだ多少不具合ですがそのうち直るものと思うので、これからも思い切って書きたいと思います。
「大好きな 作家早死に 文字残す このまま俺も 早死にするのか?」
「野良たまに 仕事をすると 雨が降る 昔の人は いいこと言うね」
「ジャガイモを 親父と植える 春二月 今年も二人 何とか元気」
「妻親父 それに私の それぞれが 選んだ品種 どれが一番」