○観光立国教育セミナー
これまでの学校教育で観光についての授業など聞いたことも見たこともない私に、先日観光立国教育セミナーで講話をして欲しいというお誘いがあり、昨日その集会に出かけて行きました。観光カリスマという称号をいただいている人たちの末席を汚すものとして、観光振興や普及はその仕事の領域なのですが、はてさてどんな話をすればいいのか戸惑いました。観光の話は領域も広くて深く専門的な話をすれば切りがないのです、でも学校の先生たちに観光についての基礎教育を論じるよりも、小さな双海町という町が夕日をテーマにして観光に取り組んだ20年を話した方がいいと思い、思いつくままに50分間お話をさせてもらいました。
私の講和に先立って、先生たちが各自治体のテキストを活用した模擬授業を短くコンパクトにおさめて模擬授業されました。いやあ驚きです。電子黒板というのも初めて見ましたが、中々面白い授業でした。また最先端の技術を駆使した観光立国授業は、グーグルアースを使って目の覚めるような取り組みを目の当たりにしました。
平成の大合併によって70市町村が20市町になりました。これまでの観光に対する取り組みは、松山や大洲、それに内子のように観光資源の多い街で先進的に行われてきましたが、それ以外の市町では未だ観光に対する取り組みさえやっていないに等しい地域もありバラバラなので、行政のトップに聞かせてあげたいような話でした。
日本が観光に目覚めたのは小泉首相が観光立国を提唱してからでした。日本人が観光で外国へ行くことは当り前の時代になってきました。しかし京都や東京などの観光地を除けば地方都市へ外国から外国人が観光にやって来ることは少ないのです。そのアンバランスを調整してもっと日本のよさを外国人にも知ってもらい、経済的に潤おうと考えたのが観光立国構想の狙いなのです。
観光について子どもたちに教えることは、取りも直さず自分の住んでいるところのよさを見つけ、自分のふるさとに誇りを持たせることです。これまでの教育は向都離村の養育が主流でした。親も自分の町を「つまらない町だから勉強して都会へ出て働いて出世せよ」と卑下し、叱咤激励してきたのです。結果的に働く場所も限られていたこともあって、みんなが都会を目指した揚句過疎になって、学校が廃校になり、限界集落が沢山できて暗い影を落としているのです。
私の町もそんな運命をたどっていますが、少しだけ違うのは少しだけ観光に取り組んだ結果、夕日のメッカと言われるシーサイド公園だけでも年間55万人ものの観光客がやってきているのです。観光はまちづくりです。自分たちの町の地域資源を見つけ、それをテーマに物語を作って輝かせる営みなのです。海岸jを清掃することも、国道沿いに美しい四季の花を咲かせることも、ある意味観光地づくりだと思うのです。
そのことに気づき、団体から個人へ、見せる観光から体験する観光へと変化しつつある観光の動向をよく見極め、観光を経済に結び付けて活性化するような町づくりをして欲しいものです。そしてそのことも併せて子どもたちに教えて欲しいと願っています。
「観光を 学校授業で 教えると 聞いて嬉しく 講話出かける」
「凄いなあ 電子黒板 グーグルと パソコン駆使し 進化の授業」
「観光は 取りも直さず まちづくり わが住む町に 誇りを持って」
「私でも 出来たのだから 観光地 その気になれば 誰でもできる」
追伸
TOSS愛媛の事務局をしているS先生から今日メールで昨日の写真が送られてきました。TOSS愛媛は休日を利用して観光立国教育に関する自主的勉強会を行っているグループです。昨日いただいた沢山の資料も非常に参考になるものが多くありました。あなたも一度覗いてみてはいかがでしょう。ちなみに私の親友であるえひめ地域政策研究センターの松本研究員も当日参加していて驚きました。