人間牧場

〇自分の人形とご対面
 100体の人形が語る昔の漁村の暮らしに続いて200体の人形作りの挑戦していますが、先日出来上がって納品してもらった漁村自宅での結婚式の人形は主役である新郎の私と新婦の妻、仲人さん夫婦、おんちょ・めんちょの子ども、謡と舞を舞う知人、記念写真を撮影する写真屋さん、それに両家の親族など総勢24人の集団が畳の間にそれぞれ座布団を敷いて座る大がかりのものです。

 仲人さん夫婦、謡と舞の夫婦の他、わが家の親族では親父、おふくろ、ばあちゃん、姉の夫が他界し、妻の親族も父親、母親、兄夫婦、妹も他界しています。一昨日近所に住む姉がやって来て、自分の若かりし54年前の姿をした人形と初対面を果たしました。夫は既に亡くなっているだけに、感慨も一入の様子で、人形を手に取って、よくぞ作ってくれたと喜んでいました。

 私たちの結婚式から早54年の歳月があっという間に流れました。世の中も家族の有り様も随分変わりましたが、人生100歳まで生きれる時代といいながら残された余命はそんなに多くはなく、余命をどう生きるか考えると複雑な気持ちです。今は亡き夫と自分の人形を手に取って見る姉の姿を見て、もう一度スイッチをゼロに戻し、夫婦でしっかり生きて行きたいと思いました。

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