〇上灘四国88ケ所踏査(その6)
東峰には国道56号沿いにおきよの池というこじんまりした池があり、この近くに石仏があります。間もなく開通するスマートインターチェンジを過ぎて信号を右折すると、高見集落に出ます。公民館上の小高い丘にも石仏が何対かあり、お参りをしていよいよ上灘川の源流域奥大栄と進みます。県道の途中から通行止めのゲートが開いていたので奥へ進むと、西日本豪雨で大規模な土砂崩れが起きていて、先へ進むことができませんでした。
元の道を引き返し県道に出て、大栄から細い道を通ってアタックしました。一昨年孫希心の夏休みの自由研究で「上灘川の源流」を取り組んだ時、息子と孫の3人で踏み入れたことのある道ですが、災害復旧工事の終わった場所もあり、何とか奥大栄集会所付近に辿り着き2カ所の石仏の調査をすることができました。奥大栄集会所前の坂道には雪が白く積もって、平地との寒暖の差を感じるほど気温が下がっていました。私が公民館主事をしていた若い頃はこの集落にもそれほど多くはありませんでしたが、集会所に集まって色々なが集会をやりましたが、恐らくこの集会所は使われなくなって久しい感じがしました。
双海町には30ほどの集落がありますが、その殆どは65歳以上の人が50%以上を占める限界集落だし、10年後に限界集落になるであろう準限界集落を含めると、半数以上の集落が集落機能を維持できない厳しい状態となっています。この状態を知ってか知らずでか、その解決策の妙案もないまま放置されていますが、中央にに立派な庁舎や文化施設がいくら出来ても、住民の暮らしは置き去りの感をぬぐい去ることはできません。この日はそんな地域学を学ぶよき一日となりました。
「大規模な 土砂崩れ跡 目の当たり 進めず迂回 別の道行く」
「山奥は 積雪ありて 別世界 同じ町とは 思えぬ光景」
「若い頃 映写機積んで よく来たな 使う人なく 今はひっそり」
「限界と 準限界を 加えれば この町 今に 消滅するぞ」