人間牧場

〇15年間の大学授業を終える

 私の最終学歴は高卒です。その高校しか出ていない私が、こともあろうか愛媛大学法文学部の非常勤講師に就任したのは今から15年も前のことでした。法文学部長さんから懇願され、私の得意としていたまちづくりについて、「地域活性化論」というテーマで、年間60時間30コマ、4単位の講義を週一のペースですることになりました。それまでにもまちづくりや地域活性化などについて、大学などで請われるまま講演や講義を行っていましたがいずれも断片的で、年間60時間30コマという私にとっては途方もなく多い講義を、どのように組み立てればいいのか随分悩みましたが、自ら作り大学提出後許可してくれたシラバスに沿って何とかスタートしました。

一緒に学んだ学生たちと記念撮影

 最初は大学の雰囲気に圧倒され、また大学へ行っていないのでそのシステムさえ分からず悪戦苦闘しましたが、学生たちの協力もあって授業は人気を集め、気がつけば10年の歳月があっという間に過ぎました。その後引き継ぐような形で農学部長さんから客員教授就任の要請があり、「地域活性化論」という同じテーマのもと講義をすることを受諾しました。客員教授になったため他の人と2人一部屋の研究室が与えられ、それなりの働きを3年間やりました。こんな私にとって過酷な仕事は70歳までと心に決めていたのですが、前町長の上田さんから聖カタリナ大学の非常勤講師として、「地方行政学」なるものを教えて欲しいと懇願されました。得意の「地域活性化論」ならいざ知らす、このテーマは何が何でも重過ぎると辞退を重ねましたが、最終的には2年間の約束で引き受け、後期30時間15コマ2単位の講義を引き受けてしまいました。

 聖カタリナ大学の北条キャンバスは、松山市街を越えた旧北条市にあります。自宅から45㎞もあって、片道1時間半、往復3時間の通勤と、役場に35年間勤めて行政に携わったとはいえ、「地方行政学」という慣れない講義には少々骨が折れましたが、昨日は2年間の最終講義の日を迎え無事大任を終えました。講義終了後3回目のレポートを学生全員に提出してもらい、お世話になった教務課にごあいさつに伺い、多少寂しい気持ちで大学を後にしました。愛媛大学法文学部・愛媛大学農学部・聖カタリナ大学人間社会学部とバトンを引き継いだ15年間は私にとって、思い出多い出来事でした。今日から冷や汗を流しながらの講義をしなくても済むのですから「ヤッホー」です。これからは学生の成績表を作成して大学に提出し、これまで講義に使った色々な資料の整理を行い、段ボールに入れて封印する予定です。

「大学も 出てない私 大学の 教壇立って 学生相手に」

「短くも 長い大学 15年 終わってみれば あっという間に」

「大学は 出てないけれど 15年 熱心勉強 学生より上」

「教育は 共学だった 色々と 学ぶことあり 感謝忘れず」

 

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