人間牧場

〇節分行事

 昨日は節分でした。私たちの地方では野に自生しているトゲのあるオニグイを採集して、10㎝程に小切りして4つに割り、一つ一つに切れ目を入れて、やはりトゲのあるヒイラギの葉っぱと頭のついた煮干しを挟み込み、玄関や神仏、トイレ、炊事場などに2本一対にして置き、悪魔祓いをするのです。

魔除けの材料
出来上がったオニグイの魔除け

 何でこんなことをするのかと聞かれれば、確かな返答も出来ぬ古いしきたりなので、隣近所でもやっている所は殆どないようですが、私にとってこの風習は思い出のあることなので、今は亡き親父に見様見真似で教えてもらった通り、毎年絶やさずやっています。

中学生の頃、マジックインクという優れた文具が世に出始めました。小遣いとてそんなにもらわなかった頃だったので、友だち2~3人でオニグイの魔除けを沢山作り、マジックインクを買う資金を集めようと相談して作り近所に売り歩きました。中学生がマジックインクを買うためだったら買ってやろうと、作った魔除けは目論見通り飛ぶように売れて完売しました。

 集まったお金で買ったマジックインクは、学校の教材として大いに活用され、校内の発表会は例年になく盛り上がり、校長先生に褒められたり仲間からも一目置かれるほどでした。節分が来る度、マジックインクを見る度、懐かしい当時の思い出が思い出されるのです。

 昨日の夜、は若嫁が用意した大豆の入り豆で、内孫たちと一緒に「鬼は外、福は内」と言いながら、オニグイの魔除けを飾った玄関先でささやかな豆まきをしました。今日は肌寒いながら24節気の一つ立春です。日の出も心なしか早くなり、日の入りも日増しに遅くなって、いよいよ春本番です。

「節分に なると野山に 分け入りて トゲあるオニグイ 採って魔除けを」

「オニグイを 割ってヒイラギ 煮干し付け 玄関先や 神仏供え」

「近頃は こんな古風な 風習も 殆ど廃れ やる人稀だ」

「そういえば 中学生の 頃やった マジックインク 資金集めに」 

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