人間牧場

〇久しぶりに偶然出会った同級生との会話

 昨日は朝から雨が降っていて、早朝ウォーキングができなかったため、昼食後腹減らしのつもりで長靴とこうもり傘の出で立ちで、短めのウォーキングに出かけました。県道からたけます医院に通じる道を歩いていると、駐車場へ軽四トラックがやって来ました。運転席から降りてきた人は帽子を被りマスクをして杖をついて、少し元気のない雰囲気でした。私の姿を見つけ声をかけてくれました。田舎ゆえ殆どの人を知っていますが、帽子とマスクをしていると「若松君、俺よ俺々」と言われても、最初は一体誰なのかも分かりませんでした。

 帽子を取りマスクを外したその顔は同級生のD さんでした。帽子を取った頭はツルツルで、ついた杖も少しおぼつかないようだったので、握手を求めて弱々しい力しか感じなかった手を握りながら、少しの間立ち話をしました。「頭はツルっ禿、耳は補聴器、目は老眼、歯は総入れ歯、4回の脳梗塞で半身不随、足腰はガタガタで杖をついても歩くの難儀、生きていいるのが辛い」と心情を吐露し始めました。何年か前までは大酒を飲み、ホラを吹いていた同級生とはまるで別人のようでした。

 元気に歩いている私を見て、「先日NHKのテレビであんたを見たが、今も元気なあんたが羨ましい」と言った後、「ところであんたはなんぼにになったん」と、私の年齢を聞かれました。同級生ゆえ年齢は同い年だと思うのに、こんな質問をするとは?と思い、「あんたと同じで今年間もなく後期高齢者の仲間入りです」と答えると、「そうじゃったそうじゃった。ボケてしもうた」と照れ笑いをしながら、「元気だった昔に戻りたい」と言いながら、診察を受けるため病院の中へ消えて行きました。 ふと「運転して大丈夫?だろうか」と思いました。

 ふと、病院のガラス戸に映った自分の姿を見て立ち止まり、「私も人から見れば、杖をついた同級生のように見えるのだろうか?」と思いました。7千歩ほど歩いて自宅に帰り、妻にDさんのことを話しましたが、「同級生に歳はなんぼ?」と尋ねられた話に妻は大いに驚いていました。「私たち夫婦も自分たちでは元気で若いと思っているけれど、人から見れば歳相応」だと言われました。生命寿命・健康寿命・職業寿命・資産寿命などなど、私もいよいよ寿命が気になり始めたな」と思い知らされた一日でした。

「偶然に 病院前で 出会う人 帽子にマスク 最初誰だか」

「俺よ俺 言われてみれば 同級生 余りの変貌 驚きながら」

「歳なんぼ? 同級生の 俺に聞く 認知進んで いるよう心配」

「病院の ガラス戸映る わが姿 人から見れば 同じなのかも」

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