〇移動式かまど運び
先日、隣のおじさんが高齢になったため、傷んできたブロック造倉庫を取り壊すため、息子さんに頼まれて中の道具類を片付ける作業を手伝いました。幸いわが家には軽四トラックがあるので、材木類など燃える物はトラックに積み込み高野川の清掃センターまで3回往復し粗方片付きましたが、最後に「嘘頼むから貰って欲しい」と頼まれた移動式かまどを運び出す作業が残り、トラックを横付けしてあゆみ板を掛け、二人で何とか荷台に積み込みました。
わが家は庭が広いのでかまどの行き先を引き受け、とりあえず腰を痛めないよう注意をして、夜露をしのいで濡れない外の洗濯置き場へ仮置きしましたが、その場所は洗濯干し場だし孫2人と息子の自転車置き場でもあるので、早く片付けるよう妻から再三再四注意されていました。さてどうしたものかと思案した挙句、採寸したところ煙会所横の壺類を置いている場所にぴったりなので、移動することにしましたが、はてさて息子は仕事で当てにできないし、思案は続きました。
ふと大阪城で見た巨大な城石やエジプトのピラミッドに積み上げた石を思い出し、自分ひとりで約10m離れた場所まで移動することを思いつきました。早速あゆみ板を2枚とコロ棒3本を用意し、早速取り掛かりました。妻がいると「腰を痛めるから」と反対されるので、いない間に思いつきました。板の上にコロを敷き一寸刻みのようなノロノロで、かまどを傷めないよう、更にはケガをしないよう細心の注意を払い、1時間ほどをかけ移動しましたが、まあ冷や汗ものでした。
お陰様で予定した場所へ収めることができましたが、明くる日かまどが移動しているのを見て、妻も息子も「誰に手伝ってもらったの?」「わし一人がやった!!」「嘘~、本当?」てな調子で、ちょっとした家庭内の大きな話題となりました。してやったりの心境です。物理的に自分の体重ほどもあるかまどを移動することは無理ですが、知恵を出せば何とかなるものです。大阪城の石垣の石も、ピラミッドの石も、重機などなかった時代に、人の手によって移動していることを思えば、かまどくらいの移動は朝飯前といったところでした。
「お隣の 倉庫に眠る 移動式 かまど運んで 不評を囲う」
「10m 私の体重 ほどもある 移動式かまど 動かす算段」
「あゆみ板 コロ敷き一寸 刻みつつ たった一人で かまどを移動」
「嘘・本当? 家族みんなが 驚嘆す 鼻高々の 涼しい顔で」