人間牧場

〇美しく老いる生活10訓(その2)

②老いていちばん惨めなことは経済的ゆとりのないことである。
18歳で高校を卒業して漁師になり8年間、体の都合で勧められて役場に入り35年間、働き蜂と言われるほど家庭をも顧みず、がむしゅらに働きました。26歳で結婚し60歳で定年になるまでの35年間は、子育てと建てた家のローン返済に追われ、文字通り家計は火の車で、妻には心労が擦り切れるほどの難儀を囲いました。

60歳でリタイアしたため、収入の道を断たれましたが、妻の綿密な生活設計実践のお陰で借金返済も子育ても一段落し、今はいただいた退職金を取り崩したり、年金と妻のパート収入、それに私の多少の小遣い稼ぎで、つつましやかな日々の暮らしを成り立たせています。人間は経済的なゆとりがないと夫婦や親子の人間関係はギクシャクするものです。

現代日本人の老後は、特別養護老人ホームなどの介護施設で暮らす人が、次第に多くなってきました。老人ホームに入所して暮らすには、毎月決まったお金が必要で、国民年金だけでは思うような福祉サービスは受けられないようで、老後の沙汰も金次第といったところです。さりとてこの歳になって金儲けや蓄えもできにくく、途方に暮れる人が何人もいます。もし経済的ゆとりがなかったら、親の介護もできなかっただろうし、子どもたちや孫の信頼もなく老後を寂しく過ごすだろうと思うと、まあそれなりの人生のようです。

自分の人生の終焉が見えて来つつある昨今ですが、日常は慎ましくとも、たまには旅行にでも出かけ、やりたかったことをやり、使い切ってコロリンシャンとあの世に行きたいものです。

「金なくば 人は信用 してくれぬ 経済ゆとり 持ちたいものだ」

 

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