〇本谷正法寺の念仏口開け行事に参加しました(その2)
数珠回しが終わり、全員で焼香した後、祭壇に備えられた金剛の大わらじが住職から地元の人に渡され、男たちが境内の外に出て飾りつけを始めました。本谷川に架かった橋の傍にある地蔵堂の屋根と電柱に一人ずつよじ登り、大草鞋が川の真ん中に海側から見えるようにしめ縄をしっかりと縛って飾りました。
点け終わったところで和尚さんが念仏読経を唱えてお性根を入れました。和尚さんに聞いた話ですが、この金剛の大草鞋は、これほど大きな草鞋を履く強い者がいるようでは、悪魔悪霊も叶わないと思って退散するという、故事にのっとった悪魔払い行事のようでした。
本谷地区も過疎や高齢化が目立ち、このような伝統行事をいつまで続けられるのか、みんな顔を見合わせながら心配していました。打つ手や考えられる妙案もなく、何はともあれ今年の仏事は終わりましたが、いい行事を目の当たりにして参加できた喜びと同時に、少し寂しい心持になり、次の予定があるので少し早めに引き上げました。
「男ども 作った金剛 大草鞋 仏壇下げられ 取付作業」
「お草鞋 履くよな金剛 いるのでは 叶わん悪魔 退散願い」
「橋の上 見上げた空に 大草履 今年は何とか 来年どうする?」
「神仏に ご加護を願う 人心 祈りの世界 残って安堵」