〇帰り道でのお参り立寄り尾道千光寺(その4)
真夏ながら夏至や立秋もとうに過ぎ、随分日の暮れが早くなってきました。宮島や錦帯橋の見学に時間を取られ、加えて事故による渋滞に巻き込まれて、予定していた尾道の街並み散策は時間切れでできませんでしたが、せめて千光寺だけでもお参りしようと、高速道路を尾道インターで一旦降り、カーナビとタブレットの案内を頼りに、千光寺に通じる細い道を走りました。
千光寺は尾道の街並みや尾道水道、恩道大橋を一望できる小高い場所にあります。西に傾いた夕日に照らされた尾道の眺望もどこか懐かしい雰囲気でした。坂道を歩いて上ったり下ったりしながら千光寺に到着し、とりあえずお参りを済ませました。私は願い事など「家族がみんな健康で過ごせますように」程度ですが、妻は軒先に吊るした珍しい数珠を繰りながら、色々なお願いをしていたようです。多分「宝くじに当たりますように」も付け加えたことでしょう。
名刹千光寺はまるで花崗岩の石の上に建っているようで、奇岩のあちこちには、歴史上に生きた有名な人々の言葉があちらこちらに刻まれていますが、興味はあっても無学な私には中々読めないし、意味も分からず難解でした。やけっぱちに鳴いていたセミの声もいつしか弱まる中を、尾道を後に帰路に着きましたが、久し振りの予定のないのんびりした夫婦だけの小さな旅は、思い出を残して終わりました。
「一日に 一分程度 日没が 早くなってる 今日のこの頃」
「千光寺 名刹らしい 風情あり 数珠を繰りつつ 妻手を合わせ」
「尾道の 街並み一望 指を差し あれが大橋 あれが水道」
「喰い忘れ 尾道ラーメン また次と 妻に謝り 尾道後に」