〇新茶の美味しい季節
わが家では3度の食事の度に、妻が食卓へお茶を出してくれます。最近は瞬間湯沸かし器の優れものを友人から頂いたお陰で、いつも熱いお茶が出てきますが、妻は朝夕食事後にお薬を飲んでいるので、毒消し効果のあると言われる日本茶でなく白湯を飲んでいて、付き合わされて緑茶は昼食時1回のみです。私はコーヒーを飲まないので、緑茶と紅茶を飲むため、あちらこちらへ出けた時土産に緑茶を買って帰ります。加えて葬儀のお返しとしていただく八女茶もかなりあり、昨年から畑の隅に植わっている、ヤブキタというお茶の木の葉っぱを使って紅茶を手作りしているものの、お茶をゆったりした気持ちで味わう時間的余裕もなく、毎日あくせくと過ごしています。
お茶どころと聞いてまず思い浮かべるのは、浪曲の「旅行けば駿河の国の茶の香り」でお馴染みの生産量日本一の静岡や、宇治茶で知られる京都のお茶ですが、四国も結構お茶どころで、香川県の高瀬茶、徳島県の阿波番茶、高知県の碁石茶など、特徴あるお茶がたくさん存在しています。若い頃講演で出かけた上浮穴郡美川村(現久万高原町美川)役場で控室に通され、役場の女性職員が出してくれたお茶は、出がらしのぬるい番茶でした。講演に先立ち私は集まっていた村民を前で、「村の入り口に特産品である美川茶のPR看板が出ていましたが、私が控室でいただいたお茶は、そこら辺にある美味しくないお茶でした。お客さんにはせめて『美味しい』と言っていただくようなお茶を出してPRに一役買ってもらったら如何でしょう」と話しました。
講演が終わって帰る時、同席していた木下村長さんが「大変失礼しました」と詫びながら、私に最高級の玉露をお土産にと渡してくれましたが、要らぬことを言ってしまったと後悔しきりでした。最近は講演に出かけても、心のこもったお茶どころか、「お~いお茶」というペットボトルに入ったお茶が無造作に出てくる始末で、風もへったくれもない味気ないものになり、まさに滅茶苦茶な世相となりました。先日西予市に出かけた折、美味しい宇和茶をいただき、新茶の香りと味にすっかり心を癒されました。最近の日本人の暮らしはすっかり様変わりして、食後にコーヒーを飲む人もだんだん増えてきていますが、日本茶はコーヒーに少々押され気味のようです。
「カフェブーム 何処へ行っても コーヒーに ケーキがついて 肩身が狭い」
「コーヒーが がんの抑制 するらしい 飲まない私 がんになるかも」
「公演に 出かけ案内 控室 ペットボトルで お茶を濁して」
「お~いお茶 言えば妻さえ はいはいと ペットボトルの お茶を差し出す」