〇みかんが色づき始めました
愛媛と言えば「みかん」と連想されるように、温暖な気候に育まれてみかんが栽培されています。しかしいざ一歩足を踏み入れると現状は厳しく、過疎化や高齢化を反映して放任園が増え、南予のブランド生産地や施設栽培を除けば、路地のみかんは耕作面積も生産量も右肩どころか急激に減少し、その現状は今や危機的状態となっていて、このままだと「耕して天に至る」と形容された段々畑にたわわに実ったミカン畑も遠い記憶となって、「昔はなあ~」古老が語る昔話になりつつあるようです。
それでもこの時期になると、町内のあちこちには丹精込めて作ったみかんが色づいて、初冬の風景を醸しています。わが家もおふくろが元気な頃はみかんを栽培していたので、この時期になると私も駆り出され、家族総出でみかん採りをしていました。ゆえにみかんを農家から貰うことはありませんでしたが、栽培を止めた最近は知人友人からみかんをいただいて食べています。一昨日も甘くて美味しい早生みかんが、一箱玄関先に置かれていました。留守中のことゆえ、誰が持ってきてくれたのか分からなかったのですが、多分「〇〇さんじゃなかろうか}と妻と話しながら、頂き主も分からぬまま2つ3つご相伴に預かりました。
夕方予想していた通の方から「みかんを玄関先に置いていたので食べてください」「もう食べています」でした。何とも長閑な田舎流のみかん談議でした。最近はかんきつ類も急速に進歩を遂げ、次々と新しい品種が開発され、農家の人でさえ品種名と現物が一致しにくいと嘆くほどです。手や顔が黄色くなるほどみかんを食べた思い出はもう昔の記憶で、特に今の若者はみかんを余り食べません。ゆえに消費が落ち込み、ゆえに農家が減って行くという悪循環になっていますが、一個千円もするという高級柑橘品種だってあるのですから驚きです。でもやっぱり子どもの頃から慣れ親しんでいる早生温州や普通温州が一番食べやすいし一番美味しいと思いながら、いただいたみかんをせっせと食べてビタミンCを補っています。
「温暖な 瀬戸内気候 ゆえみかん 色づき始め 初冬感じる」
「耕して 天に至った 段畑に みかん色づく 昔の記憶」
「よく食べた 故に手の平 まっ黄色 子どもの頃の 思い出辿る」
「近頃の 若者みかん なぜ食べぬ? 面倒臭い たったそれだけ」