〇金比羅さん参り
先日瀬戸内海を渡って中国地方へ小さな旅をしましたが、帰りに急な思いつきで、讃岐の金毘羅さんにお参りをしました。私の家は代々漁師だったので、私が小さい頃には船を新造するとその年に、讃岐の金毘羅さんと安芸の宮島さんへ、船に乗ってお参りに行く風習がありました。進水式の時親類や縁者から、お祝いに贈られた大漁旗を全て飾り、3~4日をかけて瀬戸内海を、家族や親類知人を乗せて海路旅をするのは、さしたる旅行等しなかった少年にとっては、ワクワク・ドキドキ・ジーンの連続だったと、今も時々思い出しています。
今は高速道路が発達して、車でも自宅から2時間程度で金毘羅さんに参拝できるのですから、考えられないような出来事です。この時期は金毘羅歌舞伎金丸座の大芝居を告げる幟が参道の両側に立ち、加えて日曜日の夕方でしたが、沢山の観光客で賑わっていました。金比羅さんは急で長い石段が有名で、健脚な人でもかなり堪えるため、参拝したくても足腰に悩みを持つ人は中々出かけられないようです、私たち夫婦は70歳の峠を越えてもまだ大丈夫で、お店で竹の杖を借りて元気にお参りすることができました。
山頂からの讃岐平野の眺望はいつ見ても美しく、讃岐富士も綺麗に見えました。本殿で賽銭を入れて参拝し、お札受け所で6月に子どもが生まれる予定の次男嫁のために、安産お守りを買い求めました。坂道石段の桜はまだ蕾でしたが、帰りに竹杖を借りたお店で、お礼に団子を買い求めて食べました。この2日間で走った高速道路は、車の走行メーターによると、何と700kmを越えていました。帰りは一つ手前の松山のインターで降り、温泉に浸かり近くのお店で食事をして、小さいながら中四国地方への旅が無事終ったことを、ささやかながら夫婦で喜びました。だとさ・・・・。
「金毘羅さん 長くて急な 石段を 竹杖ついて 汗をかきつつ」
「子ども頃 新造船に 大漁旗 なびかせ海路 金毘羅行った」
「金毘羅の 本殿広場 辺りから 讃岐平野の 眺望眺め」
「2日間 700kも 中四国 車走らせ 夫婦で旅す」