〇収獲の喜び
収獲の秋といわれるように、秋は何かと美味しいものを味わうことができます。とりわけ自分が家庭菜園で作った作物を収獲して食べる味は格別で、思わず「美味い」と自慢したくなるような感じです。昨日はサツマイモを掘りました。早速手ごろな芋を10個ほど水洗いして妻に焼芋にして貰いました。わが家では焼き芋は素焼きの焼き芋器をガスコンロにかけ、洗った芋を入れ蓋をして弱火でじっくり、30分弱をかけて焼きます。私たちが子どものころは焼き芋といえば外で焚き火をして焼いたり、風呂を沸かすかまどの火で焼いたりしていましたが、そんな光景はもう記憶の彼方に消えています。
焼き始めて20分もすると、焼き芋の匂いがダイニングに漂い始め、まるで少年の頃味わったような淡い期待感が膨らみました。そのうち「焼けたよ~」と妻が呼びに来てくれ、急いでダイニングに行くと、真っ赤な芋がお皿の上にサジとともに置かれていました。「美味しそう~」といいつつ、焼きあがったサツマイモを火傷をしないよう半分に折り、湯気の立った黄色い中身をサジで行儀よく「フ~フ~」言いながら食べました。サツマイモはカロチンの多い食物といわれていますが、欠点は食べるとオナラが出ることです。夫婦で食べたゆえ、また昨日はどこへも行かず家にいたゆえ、人に不快を与えるようなことはありませんでした。
サツマイモは焼いて良し、蒸かして良し、天ぷらにして良し、また大学芋や芋きんとんにしても美味しく味わうことがで来ます。昔は貧乏人の代名刺のように言われて敬遠されていたサツマイモですが、今は健康食品としてすっかり見直され、芋キンツバや芋菓子に加工されて甘党ファン喜ばれています。私にとってサツマイモはやはり母ちゃんの思い出です。サツマイモを使って芋飴を作ってくれたり、蒸し芋を干してヒガシヤマを作ってくれたり、芋を輪切りにして干し、粉にしてカンコロ餅にして食べさせてくれました。食べるのがやっとの貧しい時代ゆえの生活の知恵だったのでしょうが、サツマイモ=かあちゃんです。
「サツマイモ 焼いてホカホカ フウフウと言いつつ妻と 二人で食べる」
「サツマイモ イコール母ちゃん 思い出す 貧乏故に 暮らしの知恵が」
「焼き芋を 食べて夫婦が オナラする あら失礼と 思わず笑顔」