〇大学生がやって来た
「進ちゃん、午後から空いている?」と、昨日の朝雨の中、道の駅シーサイドふたみで来訪者を待っていると、漁協女性部長の松本さんから午後のスケジュールを聞かれました。「多分空いている!!」と言うと、「愛大の竹ノ内先生が生徒を連れて午後1時にやって来るので、付き合ってくれない」とのことでした。いつも急に言われ、いつも気安く引き受ける癖がついているので、12時にわが家で来訪者を見送り、急いで食事を済ませ再び道の駅へ、トレードマークの木になるカバンを提げて午後1時きっかりに到着しました。
昨日は雨の中松山商業高校の生徒がバス2台に乗って遠足に来ていて、イベントホールは全て占領されてしまっていたので、ミュージアムの室内を借りて、竹ノ内先生、鈴木先生に付き添われた大学生宇都宮さんを相手に、じゃこ天のお店を開いた経緯やその後の足取りについて、途中松本部長さんも加わり聞かれるまま、20年間の出来事を一気に話しました。今回は大学生宇都宮さんの卒論用の聞き取り調査らしく、宇都宮さんは聞きたいことを箇条書きにしてくれていたので、大助かりでした。
質問に答えながら、シーサイド公園を造った経緯や、平成7年3月16日のオープン当時のこと、その後のこと、今後のあり方について色々と考えてみましたが、私も退職後早12年が経ちました。これまでのことは語れても今や未来に口出すすべもなく、私の出番等ないため気楽といえば気楽ですが、造った張本人としては、想いと現実の間に相当の開きやギャップを感じていて、多少心を傷めているのも事実です。先日中庭に置いている丸木舟が来客の導線に邪魔だから、どこかに移転する手立てはないかと、シーサイドから相談を持ちかけられました。
シーサイドには恋人岬のモニュメントや、中庭のモアイ像、屋上のストーンヘンジ、園内路の童謡の小路、日没地図、幸せの手形、愛の鐘、階段式護岸などなど、夕日に関する物語を仕掛けとして沢山造っていますが、これも使わなければ宝の持ち腐れです。丸木舟も想いのない人にはただの邪魔な置物にしか過ぎないのです。中庭の池もいつの間にか潰され、夕日のミュージアムに飾った絵画や書もなくなり、倉庫と化しています。これも時の流れとして諦めなければならないのでしょうか。
「大学生 卒論書くため やって来た 思いつくまま 当時を喋る」
「頑張って いるは唯一 じゃこ天の お店だけだと 寂しく思う」
「あれやこれ 造った宝 持ち腐れ 想いなければ ただのガラクタ」
「ああ時代 変わったものと 諦める どうすりゃいいの どうなるのだろう」