人間牧場

〇店先や道端での会話

 「1日に10人の人と出会い、10人の人と会話する」ことを目標に掲げていますが、今の私は準現役ってな感じで、毎日外を出歩いているので、この目標は十分達成できています。人と出会い人と会話することが嫌いではない、私のそんな生き方が体の表に出ているのか、昨日も妻の買い物に付き合って、妻が買い物をしている間隣のホームセンターの野菜苗売り場で、買うでもなくブラブラしていると、あるおじいさんが私に話しかけてきました。「オクラの苗を毎年買って売れるのじゃが、どういう訳か根付いたためしがない」というのです。

 見ず知らずの人なので、聞こえない風もできますが、折角なので聞いてあげました。このおじいさんが言うのには、買ったオクラのポット苗を家に帰ると根をほぐして植えているようでした。私は知ったかぶりで、「オクラは根をほぐして植えたら絶対根付きません。ポットの苗は畑に穴を掘りそのままそっと植えるのがコツです」と、私の失敗談を交えて話すと、「そんなことは誰も教えてくれず知らなんだ。そうかそうか、今日はいい事を聞いた。にいちゃんありがとう」と、お礼に持っていたオクラのポット苗をひとつ頂いてしまいました。

 私も何年か前同じような失敗をした経験があって、「無知によって生ずる不幸は知ることによって避けられる」そのままに、今は人に教えるまでになっている自分が、少し恥ずかしくなりました。
 昨日散歩をしていると、少し離れた隣のおばあさんに出会いました。脛や腰が悪いそのおばあさんは野菜作りの達人で、キャベツもサラダ菜も全て種を播いて苗を育てています。「キャベツやサラダ菜の苗が余っているので植えませんか?」と、レタス苗10本、サラダ菜苗5本、キャベツ苗10本に、細ネギの苗を100本もいただきました。難点はそのおばあさんは話好きで話が長く、「まあお座りや」とキャリーの椅子を勧められ、30分近くも話を聞く羽目となりました。

 このおばあさんに教えてもらった、人参の種の播き方、ホウレンソウの種の播き方は今も大いに役に立って、今年は人参もホウレンソウも立派に育って大助かりでした。田舎に住む人は人恋しいのでしょうか、「早い話が~」と早くもない話を沢山聞かされます。また噂話が好きで、まるで人の不幸が自分の幸せとばかりに、あることないこと喋りまくるのです。多分私もそんな会話のまな板に乗せられていることでしょうが、これも田舎の風物だと思えば、結構楽しいものです。今朝はもう10人以上の人に出会って会話しているので、目標達成です。

  「店先で オクラの苗が 付かないと じいさん話す 私教える」

  「まあ座り 早い話が いう癖に 30分も 話し聞かされ」  

  「苗貰い 満席畑 ちょっとした 隙間選んで 苗植え終わる」

  「腰曲がり 下見て暮らす おばあさん 苗を沢山 いただき帰る」 

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