人間牧場

〇旧温泉郡川内町へ出かけました

 現役の頃から今日まで、県内外をくまなく歩き回っている私ですが、70市町村が平成の大合併で20市町に再編された10年前からは、出歩く度に地域の元気が失われつつあることを実感しています。合併して本庁機能を維持している所ではそれほど感じませんが、特に旧市町村名さえ残っていない、支所化した旧市町村では合併の影響は著しく、中にはまるでゴーストタウンではないかと思えるほどの凋落ぶりが目に付く所もあるようです。

 昨日愛媛県金融広報委員会の依頼で、東温市川内の公民館で開かれた高齢者生きがい大学へ講演に出かけました。国道56号線から国道11号線を走り、川内インターチェンジ付近で旧道に入りましたが、やはり活気という点では今一だと直感しました。川内公民館は落ち着いた立派な建物で、かつては何度も研修会等でお邪魔をしているし、和田さん、東さん、松末さん、小倉さんなど公民館で知り合った人々の懐かしい顔々を思い出しながら、案内された応接間で講演が始まるのを待ちました。

 昨日は第1回の学習会だったようで、始めに教育長さんが開講あいさつをされましたが、名刺の交換もプロフィールの紹介もなく、いきなりの講演となり多少戸惑いながらも、シルバー世代の生き方について、笑いを誘いながら90分持論を展開しました。それでも元気な高齢者の反応に助けられて、無事役目を終えることができました。帰りの車の中で否応なしに行政が進め実行した、合併のもたらした様々な変化は一体何だったのか?考えてみましたが、私の町の実態も重ね合わせ、行政にいささかなりとも関わった身であるがゆえに、やり切れない思いでした。

 あれから10年、合併は効果効率を優先して一定の効果をあげているように見えますが、住民の幸福感はむしろ不幸感の方に傾いているようです。多分これから10年も右肩は上がることなく、右肩も左肩も下がりっぱなしなるような危惧さえ持つのです。それを救うのはやはり職員のレベルアップとやる気、それに行政に関わる首長や議員、住民の自立意識が必要なようです。
 「いい時代は来ないがいい時代にする」。そんな気概をせめて私だけでも持って生きようと心に言い聞かせた帰りの道でした。

  「平成の 合併終わり 早10年 右肩下がり 閉塞感も」

  「このままじゃ 10年先は 危ないと 実感しつつ 旧町走る」

  「必ずや 合併したら よくなると 言った人たち 責任取らず」

  「いい時代 来ないけれども いい時代 することできる 気概があれば」

 

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