〇春は霧の出る季節です
このところ春の訪れを予感させるように好天が長続きせず、足繁く雨が降っています。今朝もいつものようにブログ記事を一本書き終え、すっかり暖かくなったため、薄着でジョギングに出発しました。保育園~憩いの家~川向こうの道~双海中学と順調に走っていると、団地付近で急に大粒の雨が降り出し、ジョギングからウォーキングに変える途中の道でジョギングを断念し、急いで自宅へ走り帰りました。僅かな時間の僅かの距離ながらすっかり濡れてしまい、かいた汗とともにシャツを脱いで洗濯機へ入れましたが、今日はこのままだと一日一万歩の目標を達成することが難しいようなので、小ぶりになったら傘を差して出かけようと思っています。
このところ雨とともに、春特有の霧が出始めています。陸地は霧の影響で瀬戸大橋や瀬戸内海に面した四国の高速道路が通行止めになったり、また視界が悪いため飛行機も欠航するなど交通機関に影響が出ていますが、一番怖いのは海上の霧のようです。私は若い頃船乗りだったので霧の怖さはよく知っています。小さな船でさえ船尾と船首の見分けがつかないほど視界が悪くなることがあります。こんな場合は航行禁止令が出るのですが、先を急ぐ船乗りの心がはやるのか、禁止令を無視しレーダーに頼って航行するのです。これまでにも霧の中で海難事故が幾度となく繰り返されてきました。ご存知多くの修学旅行生が亡くなった紫雲丸事故も霧が原因でした。
わが家の敷地内にある海の資料館「海舟館」の展示物に、「フォグフォーン」という、一風変わった展示品が置かれています。「霧警笛」と訳せるこの道具は、霧の中で自分の船の位置を相手の船に知らせる道具で、ふいごのような格好をしています。両手で空気袋を広げて強く押すと、鈍い「ブォーン」という音が出る仕組みになっていますが、昔の人はよく考えてこんな道具を作ったものだと感心しきりです。
今はレーダーの普及によって、霧の中でも相手の船の位置が分り、ある程度の航行は可能になりましたが、レーダーを過信するととんでもない重大事故を引き起こすのです。「五里霧中」という言葉があります。人間も心や頭に霧が垂れ込めたような時がたまにはあるものです。そんな時は自分の思い込みを過信せず、じっくり身構えて心の霧の晴れるのを待つのも大事な生き方です。
「春の霧 思い出すのは 紫雲丸 尊い命 霧に奪われ」
「資料館 展示の品の その中に 何故かフォグフォーン 警鐘のよう」
「レーダーを 過信し過ぎちゃ 事故起こる 船は道なき 航路を走る」
「五里霧中 時には心 霧垂れる そんな時こそ じっくり構え」