〇研究員たちの座談会(その2)
えひめ地域政策研究センターの研究員たちの座談会テーマは「まちづくりにおけるセンターの役割と自分のやりたいこと」でした。一人ひとりが約3分間想いを話し、後付けで私がショートなコメントでするという手合いで話は進みましたが、話すことが多いため3分どころか5分以上話す人もいて、中々の白熱でした。最初のクジを引いた銀行マン出身のWさんは自分が関わった上島町魚島地域元気アッププロジェクトの光と影を話しました。人間牧場からは周防大島・由利島・青島などの島々が一望できます。周防大島出身の民俗学者宮本常一の話や日本一激高齢化の旧東和町の話、20年間私たちが無人島に挑む少年のつどいをやり、今はダッシュ島となっている由利島の話、また島民15人ながら最近猫の島として大フィーバーしている青島の話などを織り交ぜながら、島おこしの難しさややり方によっては面白いことを、エールを込めて話しました。
その後双海町の海岸線の国道沿い景観や花づくりの話題、県内の消え行く運命にあると思われる激限界集落の実情と手助けの話、移住促進の下等競争と新しい価値の創造の話、重信川干潟の観察で感じる自然環境の変化と今後の環境活動の話、経済を考えずにやっている地域づくりの実態の危うい話、若い女性たちの職場における諸活動や意識と実態の話、近代化遺産の仕事に携わって感じる遺し伝えることの意味の話、移住促進活動における研究員の役割の話などなどに加え、所長さんもシンクタンクを実践的知的専門家集団と位置づけて、どうすればセンターが活性化するか想いを語りました。
地域政策研究センターの前進であるまちづくりセンターの草創の時代から20年を越えて深く関わってきている私なので、少し苦言も含めてお話をしましたが、2時間近くに及んだ皆さんの座談はかなり密度が濃くて、今後の活動のテーマが幾つも柱立てされた感じがしました。
そのうち日没が6時15分の時を迎えたのでみんなで夕日を見に外へ出ました。この時期は太陽が山の端を通るので、ロケ風呂付近に出ないと夕日は見れません。杉林の中へ吸い込まれるように沈んでい行く夕日もまた印象的でした。
そのうち松本さんが料理を持って到着しました。料理を真ん中に置いて一度解けた車座を再び結び懇親会が始まりました。観音開きの窓を全開しているため、刻々と変化する夕景や夜景、それに秋の賑やかな虫の声も全て人間牧場の道具立てでした。飲むほどに酔うほどに、また美味しい料理に舌鼓を打ちながら懇親会は8時過ぎまで続き、いい交流会となりました。一通り片づけを終えて灯を落とし、松本さんと私は人間牧場を後に帰宅しました。
「車座に なって色々 話たる 言葉にショート コメント沿えて」
「西の端に 綺麗な夕日 沈みたる 一日の終わり 少し安堵し」
「酒はいい みんなの心 解きほぐし 勇気と元気 与えてくれる」
「明るいと 見え過ぎ見えぬ こともある 暗いがゆえに 見えることあり」