人間牧場

〇何を求めて風の中ゆく

 放浪の俳人種田山頭火の句に「何を求めて風の中ゆく」という、私の大好きな極めてシンプルな句があります。この言葉通り私を含めた多くの人は何かを求めて旅をします。そんな旅人を迎えるのも私の日常活動の一つです。私は私設公民館煙会所と人間牧場という2つのゲストハウスを持っています。私が深く関わって造ったシーサイド公園や、夕日のまちづくりの原点でもある下灘駅の設えも、勿論その役割を存分に担ってくれていますが、私に会いたいとやって来る人の求めに応じ、これらを巧みに使い分けているのです。

煙会所での語らい
煙会所での語らい
人間牧場での語らい
人間牧場での語らい

 一昨日香川県さぬき市に派遣されている、二人の地域おこし協力隊のメンバーが、双海の地域おこし協力隊の三人に連れられて、煙会所へやって来ました。双海の地域おこし協力隊の活動レベルは今や全国級なので、こうした出会い系交流研修は日常的に行なわれていますが、煙会所も人間牧場も余り金のかからない場所として重宝されていて、私もその片棒を担いでいます。私の話はもう随分前のことなので古くなっていますが、スキルアップには役立つと勝手に思い込み、煙会所での語らいは一時間ばかり続きました。

 夕方からは人間牧場へ会場を移し、市役所の松本さんや神東さんも加わって交流会が持たれました。松本さんの用意してくれた鱧のフライや鯛めしおにぎり、冨田さんや川口さんの用意した芋炊きを食べながら、色々な話をしました。私は妻の誕生日ということもあって、午後9時頃にお暇しましたが、皆さんはお酒を飲んだこともあって、人間牧場へ泊まったようでした。さぬき市の地域おこし協力隊の二人は女性ゆえの悩みもあるようで、色々な意見が出ました。地域おこし協力隊の任期は3年です。たかが3年、されど3年、長いと思えば長いし、短いと思えば短いものです。その間何をどう進め成果を出せばいいのか、そして任地で退任後の新しい生き方を見つけられるか、悩める地域おこし協力隊に、これからもささやかながら協力をして行きたいものです。地域おこし協力隊員の皆さん頑張って下さい。「何を求める風の中ゆく」です。

  「山頭火 何を求める 風の中 心の動き 自由律詩で」

  「ああ今日も 遠い町から 訪ね来し 人に出会って 再起動する」

  「酒飲飲まぬ それでも飲んだ 顔をして テーブル囲み 大いに語る」

  「来る人は 私に何を 求めるか? 分からぬままに 意の向くままに」

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