人間牧場

〇愛教研福利厚生夏季研修会

 愛媛県内小中学校の先生で組織する愛教研(愛媛県教育研究協議会)では、毎年この時期に福利厚生夏季研修会を開いているようで、今年は私が講師として招かれました。前双海中学校の校長だった畑中靖祥先生を通じてのご依頼だし、断わる理由もなく快く引き受けました。畑中先生の実家は人間牧場の目と鼻の先だし、畑中先生の結婚披露宴の司会をした経緯もあり、また畑中先生が双海中学校在職中は学校評議員をしたりしていて、何かとつながりの深い先生なのです。畑中先生は真面目実直な人で、今回の講演依頼後も度々わが家へ足を運んでもらいすっかり恐縮してしまいました。

文教会館で開かれた講演会
講演会前休憩の会場

 

 かつては今回研修会の会場となった文教会館に足繁く通っていましたが、そういえば少し遠のいていたようで、懐かしい感じがしました。少し早めに到着したためロビーで右往左往していると、顔見知りの田鍋修理事長さんと出会い、久しぶりに理事長室で色々な世間話に花を咲かせました。私が公民館主事をしていた若い頃派遣社会教育主事だった田鍋先生とは出会いましたが、今も讃岐先生たちと愛媛県社会教育実践集会の実行委員として、一緒に活動しているのです。
 文教会館といえば私が深く関わっていたえひめ地域づくり研究会議の旗上げとなった雪の集会や、何度かの結婚披露宴の司会など忘れられない思い出がいっぱいあります。

 中でも私が公民館主事として駆け出しの頃、「連帯を育む愛媛の教育」という分厚い本の出版計画が持ち上がり、その中で3人の鼎談内容が盛り込まれることになりました。鼎談は小中学校校長会長と、愛媛大学教育学部長、それにこともあろうか公民館主事の名もなき私が選ばれたのです。初めて出会った教育学部長さんから私に「先生はどこの学府をご卒業ですか?」と唐突に訪ねられました。高校しか出ていない私は「先生」と言われ多少戸惑いましたが、「私は公民館大学に在学しています」と答えてしまいました。学部長さんは怪訝な顔をして、「そんな大学どこにありますか?」と聞き返すので、「公民館大学は日本全国どこにでもありますよ!!」とやり返しました。多分学府を聞くこの先生は、人の値打ちをどこの大学を出たかという学歴で判断しているのだと思った私の、ささやかな抵抗だったようです。

 鼎談が終わり帰ろうとする私を呼び止めた学部長さんは、「先ほどは大変失礼なことを申し上げました。私は職業病として相手の学歴を聞く癖があります」と平謝りに謝られました。その場を離れた私は「よくぞ公民館大学などと学歴詐称を言ったものだ」と冷や汗をかきましたが、公民館で沢山の講師の話を聞いたことによって、学歴ではない学習歴は負けないくらいあると、少し胸を張り胸を熱くしたものでした。あれからどれ程の時が経ったことでしょう。学歴がない私がこうして学歴のある人たちの前で頼まれて話をするのも奇妙な話です。
 昨日は退職を目前に控えた人なども含め50人余りが参加していました。「心豊かに生きるためのライフプラン」についてお話をしました。会場には知り人も沢山いて、一番前で聞いていた宇和島の信藤明秀さんは講演会終了後わざわざ控室まで訪ねてきてくれ、分厚い資料までいただきました。

  「学歴の ないに等しい 私でも 学習歴の お陰で話す」

  「反骨の 若い昔が 懐かしい 今はそれ程 角取れ丸く」

  「懐かしい みなのお陰で 生かされて 生きる喜び 感謝を込めて」

  「ああ今日も かくてありなん 人前で 恥をかくよな 話に終始」 
 

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