〇私は百円ショップ向き?
私は自分で買い物をしたり、外食をしたりするのが余り好きなタイプではありません。ゆえに友だちとたまに出かけると、喫茶店やレストランに入るよう誘われますが、コーヒーを飲まないこともあって戸惑ったりするのです。そこへ行くとわが妻とわが息子は買い物が大好きで、出たら必ず何処かの店に立ち寄り、手に持てないほど買い物をして帰るのです。台所を預かる主婦としては当然の成り行きでしょうが、一緒に出かけた折荷物を持たされる私はたまったものではないのです。
一昨日伊予市と松前町の境付近にあるダイソーという店へ久しぶりに立ち寄りました。この店はご存知100円ショップです。店の中へ入るとまあ凄い数の商品がこれでもかというほど揃っていて、「これが100円?、これも100円?」と首を傾げたくなるような信じられない安さです。勿論安かろうぼろかろう」は仕方のないことで、納得して買うのでしょうが、もし私に「100円でこれを作りなさい」と言われても、100円ではとても出来ない納得以上の値打ちがあるのです。
私は人間牧場で使うかまどご飯用の竹でできたしゃもじを2つ、梅の実を収穫する時木の上で枝を誘引するのに便利な針金フック、農作業に必要なゴム手袋を2つ買いましたが、これで500円+消費税ですからまあ何と安いことでしょう。ふと気がつくと店の一角には100円のお菓子類や食料品まで売られていました。食は安心と安全が一番ですが、中にはメーカーの品物まであるのですから、どんな値段のからくりがあるのか、首を傾げてしまいました。
わが息子はお店で買い物をするのも好きですが、最近はネットで品物を買うことが多いようで、蜂蜜の精製道具や瓶詰めのビン類などは全てネット購入です。アマゾンで本を買うのもパソコンプリンターのインクを買うのも、注文すれば明くる日には宅配便で届くのですから、便利な世の中です。勿論飛行機のチケットも映画館の予約もネットです。息子のクレジットはどうなっているのか知る由もなく、息子に頼んで注文した物は相当額に少し上乗せをして支払っています。
安売り、ネット販売が主流を占める世の中ですが、一方でアベノミクスの効果でしょうか、今年の正月はデパートの福袋には高額商品が揃えられ、100万円もする福袋を列を成して並んでまで買う人が沢山いるというのです。100円ショップへ行って驚いた私に比べれば月とスッポン、比べようもない貧富の格差です。貧は100円ショップのダイソー、富は100万円ショップの高島屋でしょうが、買えないのではなく買わないと、自制しているので悔しくはないけど同じ100という数字でも随分違うものだとしみじみ思いました。
「久方に 100円ショップ 立ち寄って ワンコイン分 買い物する」
「これ100円? ご飯のしゃもじ 手にとって 感心しきり 首をかしげる」
「一方じゃ 100は同じの 福袋 ゼロが6つ 後ろについて」
「100円の 店に足向く わが身かな デパート族には 一生なれない」