人間牧場

〇人生は砂時計とも蚊取り線香とも・・・

 人生を物に例えることの多い昨今ですが、私は人生を砂時計に例えています。砂時計は温泉に行った時など、サウナの中に5分計や10分計が板壁に備え付けられていて、早く入った人がひっくり返して目安にするのです。遅く入った人はその権利がないので人のひっくり返した砂時計で、おおよその目安を立てながら汗の出具合を推し量るのです。砂時計はひっくり返す度に新しい砂を下に落としますが、人生は一度落とした砂、即ち過去は永久に戻らないのです。

砂時計
砂時計

 私は自分の人生を85年と決めていますが、それを12年計の砂時計にして再起動を繰り返しながら、生きていこうと実践してきました。最初の12年は小学校時代、つまり子ども時代で、親の比翼の中で生きてきました。2回目の12年は中学校・高校、そして青年期で、24歳まで実習船で遠洋航海したり、青年団に入団してNHK青年の主張の県代表になったり、様々な夢を膨らませました。3回目の12年は冒険の時代で、転職して公務員になったり、青年の船でアメリカへ行ったり、また仲間と21世紀えひめニューフロンティアグループを作って無人島キャンプを始めたりして36歳を迎えました。4回目の12年は青天の霹靂とでもいうべき町名変更問題に巻き込まれて、憔悴しきりながらも夕日によるまちづくりに取り組み、将来が見えてきた48歳までした。

 5回目の12年は仕事の仕上げともいう年代で、夕日によるまちづくりから派生したシーサイド公園や潮風ふれあい公園、しもなだ運動公園等を手掛けると同時に、課長以外部下のいない小さい地域振興課の課長として今日の礎を造り、2年間は教育長に赴き60歳の還暦と合併と定年を迎えました。
 その後6回目の12年は只今9年目で、人間牧場を造って活動したり、大学と関わったり、はたまた全国へ講演活動をするなど元気に活動し、後3年分砂は残っていますが、多分6回だけは健康にも恵まれて何とか砂を落としきれるのではないかと思われます。

蚊取り線香
蚊取り線香

 さて老前といわれる第7回目の砂時計は84歳という年齢までですが、果たしてどんな人生が待ち受けているのでしょう。せめて7回目の再起動も無難に健康的に生きていたいものです。
 人生は蚊取り線香という話ですが、蚊取り線香は渦巻きになっています。外の端に火をつけると一蹴するのにかなりの時間を要します、これは自分の若い頃にそっくりです。ところが時間をかけて燃え続けると最後は一周する時間がとても早いのです。つまり歳をとると一年があっという間に過ぎるというのはこの現象によく似ているということです。85周巻の蚊取り線香も既に69周を燃え尽きました。後16周をどう燃え続けれるか、これが蚊取り線香に似ている人生の所以です。

 

 

  「砂時計 12年毎に 裏返し 早6回も ひっくり返す」

  「予定だと もう1回は 砂がある さてさてどんな 落ち方するか」

  「渦巻きの 蚊取り線香 今頃は 一年早く 感じてならぬ」

  「懸命に 生きてはいるが 思うよう ならぬものだと しみじみ思う」  

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