〇ハモの骨切り体験(その2)
ハモの調理には流し台と大量の水が必要なですが、カルチャースクールの5~6人だといつも用意しているポリ容器で、人間牧場まで運べばいいと思っていました。ところがこの計画をかぎつけた地域事務所の松本さんと公民館の赤石さんから、相次いで参加の旨の相談がありました。松本さんからは森ゼミの「双海町で?を探す旅」という研修プログラムを受け入れていて、双海町のまちづくりを勉強している研修生を参加させたいと、また赤石さんからは通学合宿にボランティアスタッフとして参加している大学生も、参加させたいと相談があったのです。
ならば人間牧場の収容能力では無理だし、天気予報も雨なので、思い切って下灘コミセンの調理室を教育目的で借りることにしました。運よく調理室は空いていてラッキーでした。しかしハモの調理には電気調理台だけでは湯引きもハモ汁も満足に出来ないため、人間牧場へ食器類をとりに行ったその足で、急遽戎井ガス店に前日お伺いして、屋外へプロパンガスを設置してもらうよう頼みました。25人のメンバーに膨れ上がった調理実習は、昨日10時から早速始まりましたが、使い慣れていない調理室なので調理器具の在り処も分らぬまま難儀をしました。
実習に先立ち若松組合長さんに、ハモにまつわるお話をアドリブでやっていただきました。若松組合長さんは前日まで東京で開かれた魚食フードフェスティバルに、ハモの普及のため松本さんや富田さんと一緒に参加していて、東京での出来事も織り交ぜながら話してくれました。やがてデモンストレーションとして、一番大きなハモを参加者の見守る中調理をし始め、組合長の見事な手さばきにみんな感心しきりでした。私は骨や粗を持参した大きな南部鉄釜に入れ出汁を作りました。沸騰した出汁から浜田さんが丁寧に灰汁を取り、ハモ汁とハモ飯の用意に専念しました。
やがて4班に分れそれぞれの調理台で悪戦苦闘が始まりました。何せ参加した人の殆どは包丁を持った経験が殆どなく、ましてやハモの表面のぬめりに翻弄され、傍で見ていると危なかしくてもどかしさを感じましたが、組合長さんとあとで手伝いに来てくれた吉野理事さんの、懇切な手助けで何とか骨切りまで、手を切ることもなく終えました。外の強火ガスコンロで湯を沸かし、少量の塩を入れた熱湯の中に3~4秒くぐらせ、釜揚げしたハモの短冊を、用意した氷水でしめて、見事な真っ白いハモの湯引きが出来上がりました。
「6人の つもり始めた 鱧調理 25人に 膨れ上がって」
「台風の 余波雨の中 出漁し ハモゲットして 調理実習」
「魚では 調理しにくい ハモあえて 骨切り挑戦 悪戦苦闘」
「ハモ湯引き ハモ汁加え ハモ飯と 三昧料理 アバウト作る」