〇水滴石を穿つ(うがつ)
猛暑・酷暑の夏もいよいよ終わりに近づき、日中は暑いもののさすがに朝晩は心地よい風が吹いて、虫の声ものどかに聞こえるようになってきました。もう一ヶ月も雨が降らないため、裏の谷から流れ出る清水も息絶え絶えといった所で、清水の出口にポリバケツを置き、少し時間はかかるものの貯まった水は毎朝晩キュウリとゴーヤにやっています。そのお陰でキュウリもゴーヤも今年の夏はわが家の食卓を豊かにしてくれました。
瀬戸内に面したわが町では一雨欲しいこの頃ですが、日本各地では相変わらず気候が不安定で、島根や鳥取では昨日1時間に100mmを越す大雨が降ったとテレビで報じていました。時間雨量100mmを越す雨量はバケツをひっくり返すという表現がピッタリの大雨で、一生に一度か二度出会うくらいだといわれていますが、今年日本各地で起こっているゲリラ雷雨はその域を超えていて、危険を回避しながらなすすべもなく大雨が通り過ぎるのを待つしかないのです。
それでも人間は身勝手なもので、明日愛媛大学農学部の社会人学生が多数人間牧場に来て研修会をする予定が入っているので、せめて明日だけでも雨が降らないようにと祈っているのです。しかしその願とは裏腹に、天気は少し下り坂のようで、私の願いが天に届くかどうかは降水率50パーセントの確立からすると半々で、お天気男を自認する私の運に頼るのみです。まあ屋外の研修でもないので雨が降っても左程プログラムに影響はないので、安気な気持ちで対応したいと思っています。
昨日の夕方コンクリートで作っている清水の溜まりに、小さな穴のようなくぼみを見つけました。チョロチョロと流れ出る水の力はどういうことはありませんが、毎日毎日の積み重ねでコンクリートさえも穴を開けてしまうのですから、水の力の強さに驚くほかありません。「水滴石を穿つ」という中国南宋の文人、羅大経が言っていますが、自分の日々の精進は水の一滴のようであっても石をも穿つ、つまり続ければ大きな力となると続けることの意味を説いています。さあ私の人生も水滴になぞらえて、コツコツと生きて行きましょう。
「チョロチョロと 落ちる水滴 コンクリに いつの間にやら 小さな穴を」
「石穿つ 水滴のよう 根気よく 生きよと諭す 羅大経教え」
「身勝手な 願い通じる 訳もなく 明日は雨降る 確立50」
「継続は 力なりけり 我輩も 性根を入れて 日々の精進」