〇鱧の骨切り
昨日の午後3時頃、下灘に住む叔父の若松国夫さんから「鱧を取りに来るように」と電話を貰い、軽四トラックで魚市場まで行きました。下灘漁協の魚市場は私が産業課に勤務していた時代に、沿岸漁業構造改善事業で造った思い出に残っている施設です。下灘の魚市場は他の魚市場と違い、午後3時から市が開かれていて、私が到着した3時半頃は、沢山の魚が水揚げされ活気に満ち溢れていました。
久しぶりに魚市場に顔を出したため、懐かしい顔々から「元気!!」とか「おじいさんは元気ですか?」と声をかけられ、その都度「はい元気です」とか「親父も何とか」なんて短い言葉を交わしました。
いただいた鱧一箱と雑魚類一箱を車に積み込み、急いで自宅へ帰りました。猛暑の中なのでまず氷が解けないうちに発泡スチロールの箱にそれぞれの魚を詰め替え、包丁を研ぎ、まな板と鱧を捌く時に必要なキリを用意し、家の裏に設えている流し台で鱧を捌き始めました。腕首ほどの鱧がトロ箱にぎっしり詰まっているので、数えはしませんでしたが有に50匹近くあるようで、急がなければ夏とはいえど陽が暮れると心をせかせ、無心になって捌きました。流し台は外にあるため夕方になると薮蚊が出るので、妻は蚊取り線香に火をつけてくれ、また喉を潤すために冷えたお茶まで用意してくれました。
昨日の鱧は頃あいな大きさだったため、格闘することもなく順調に捌き、捌いた鱧を氷の入った発泡スチロールに入れ、品質が落ちないように心を配りました。
捌き終わるとそれらを氷水で綺麗に洗い、しめて骨切りです。骨切りは包丁が切れないと中途半端になるので時々砥石で包丁の刃を立てて臨みましたが、疲れてくると切り過ぎて皮目まで切ってしまうことの度々でしたが、6時過ぎやっと一段落したので、魚の好きな親友西岡さんと宮栄さんにお裾分けをしようと、スチロールに入れて若嫁にラップをかけてもらい、車を走らせて持参しました。お二人とも晩酌をやるので昨夜は私の骨切りした鱧で一杯飲んだものと思われます。
残りの魚を下ごしらえして冷蔵庫に入れ、残飯を片付けトロ箱を水洗いして終ったのは午後7時になっていました。急いで家庭菜園の野菜に水をやり、孫たちとお風呂に入って、覚え始めた掛け算を孫二人と暗唱し、暑かった一日を振り返りました。今朝は昨晩調理した鱧を発泡スチロールに入れて、お裾分けしてあげようと思っています。多分わが家も今晩は、鱧三昧な料理が食卓に乗ることでしょう。その出来栄えと味が楽しみです。
「トロ箱に 一つの鱧と 格闘す 三枚下ろし 骨切り次々」
「馴れたもの 鱧を背開き する手つき 妻も感心 上手くなったと」
「調理した 鱧を親友 お裾分け みんな今頃 肴に晩酌」
「鱧の目が 私の顔を 眺めてる 生きるためには 殺生やむなし」