○畳替え
私の住んでいる家は古民家というほど古くはありませんが、築34年経って少し古さを感じるようになってきました。一階二階を合わせると77坪もあってだだ広く、部屋数は一階が5つ、二階が4つの計9つもあるのです。建築当時は祖母・父母・私たち夫婦に子どもが4人の計9人の大家族で、これほどの家でも座敷と応接室を除けば各部屋満杯でした。その後親父夫婦が同一敷地内に20坪ほどの隠居家を立てて移転したため、また祖母と母が亡くなり、子ども4人もそれぞれ独立したため、2階の部屋はそっくり空き部屋になっていました。
この度長男息子たちとの同居話がトントン拍子に進み、話し合いの結果息子たち4人の家族が二階の住人になることが決まりました。同居の条件として台所をリフォームして明け渡したり、トイレや脱衣場を大改造したり、また畳やフスマを替えたりと、長男が建築士の端くれのためあれやこれやと計画しているようなのです。長男は年度末を迎えて仕事が忙しくてそれどころではないようですが、それでもあれやこれやとオーナーで金を出すのは親であることをいいことに、色々画策しているようですが、東北・関東大震災の影響で資材関係が動かなくなるハプニングにも見舞われ、リフォーム工事は大幅に遅れているのです。
孫希心の保育園への入所も来月7日と決まっているので、当分は4月いっぱい借り受けている松山のマンションから通園することにしているようですが、とりあえず出来ることからしようということで、数日前畳替えをするため畳屋さんがやって来ました。
現代といっても昭和51年建築の建物ですから、私の好みもあって洋間はダイニングキッチンと応接間、それに息子たちの部屋のみで、後は6畳・6畳・8畳・8畳・6畳・6畳の計40畳、つまり畳全てを買えると40枚にもなる大改造なのです。畳は10年に一度くらいの頻度で直してきましたが、今回は何年か前畳を替えた6畳を除いて新品にすることにしました。畳屋さんも驚きを隠せないようで、最近はたたみの需要が減っているため、一軒でこれほどの注文はここ数年で最大だと話していました。
昨日は1時から2人の畳職人さんが軽四トラックにいっぱい畳を積んでやって来ました。そして古い畳を剥がして大掃除をし、順次新しい畳にやり替えて行くのです。私は午前中タンスの上の物を下ろしたり部屋を片付けたりとかなりハードな掃除を、たまたま春休みで遊びに来ている小学校2年生の孫朋樹を相手に孤軍奮闘して畳替えに備えました。畳の入れ替えなどを見ることも滅多にないので写真に撮ろうと思いましたが、残念ながらメモリーカードが上手く挿入されてなくて没になってしまいました。それでもスキーの板のようなスラシでタンスをいとも簡単に異動する姿に感心したり、畳に関するノウハウを雑談ながら随分聞くことが出来ました。
昨日は妻が乾拭きした真新しい畳の匂いのする部屋に、布団を敷き孫と一緒に寝ましたが、新しい畳の敷かれた部屋は明るくなり、まるで別の家のような雰囲気でした。「畳と女房は新しいほどいい」と言われていますが、妻も亭主が新しいほどいいと思っているのかも知れないと思ったりしました。
ともあれわが家のリフォームは妻の財布の心配を他所に、これからどんどん進んで行くのでしょうが、私たち夫婦も少し心のリフォームを心がけて、これからの人生を生きて行きたい思いました。
「平成の 大畳替え 目の当たり 感心しつつ 畳談義を」
「これ程の 畳を替える 勿体ない 心痛むが 嫁への義理も」
「孫相手 あれやこれやと 大掃除 小さな力 ないよりましと」
「新品の 畳の上に 蒲団敷き 香りほのかに 安眠誘う」