shin-1さんの日記

○ハマユウ咲く沖ノ島(その3)

 民宿はまゆうでお茶をいただいてくつろいでいると、ご主人が沖ノ島へマイシップで連れて行ってくれるというのです。沖ノ島は県の天然記念物に指定されているハマユウの自生地です。地元宇和海中学校の生徒さんたちが移植などをして長年保存に努めている所なので、一度は行きたいと思っていたのでお願いして連れて行ってもらうことにしました。

 ライフジャケットを着用して、養殖いかだの中を縫うように進むと、目と鼻の先にある沖ノ島へ到着しました。沖ノ島は小さな無人島ですがしっかりとしたステンレス製の桟橋もあって、とても綺麗な島でした。桟橋近くの広場には中学生や地元の人たちが大切に育てているハマユウに看板が幾つも立てられていました。ハマユウは夏の花のため残念ながら鼻を見ることは出来ませんでしたが、いつかまた花の咲く時期に訪ねたいと思いました。

shin-1さんの日記

 林さんの案内で遊歩道を登ってデラ台風で犠牲になった方々の慰霊碑を祀る頂上へ上がりました。時あたかも東北地方三陸海岸が地震と大津波で大被害に会っている時期だけに、胸が痛む思いがして手を合わせました。こんな小さな無人島にもイノシシが住んでいて、足元のあちらこちらにはイノシシがぬたうったと思われる場所が幾つもありました。またカモメが運んだであろうハリセンボンというフグの残骸があちらこちらに落ちていたようです。

 海岸のあちらこちらには人間のエゴの塊と思えるプラスチックゴミが漂流物として流れ着いていて、綺麗な砂浜の美観を損ねていました。ここの砂浜の砂は沢山の貝殻で出来ていて、小林さん親子は物珍しそうに貝殻などを採集し、林さんに「これは何?」と自然が作り出した美しい芸術品に感心していました。沖ノ島の風景はいつまで見ていても飽きない風景です。そのうち地物の親子3人連れがボートで遊びにやって来ました。都会では考えられない何と贅沢な遊びでしょう。これぞ田舎暮らしの醍醐味だと感心しました。

shin-1さんの日記
shin-1さんの日記
shin-1さんの日記
shin-1さんの日記
shin-1さんの日記
shin-1さんの日記

 民宿つわぶきに戻った私たちは、夜の集会に備え午後6時から少し早雨の夕食をとりました。座卓の上には海の幸が所狭しと並べられ、特に郷土料理であるアジと味噌で作ったさつま汁を三間米で炊いたご飯の上にたっぷりかけていただきました。まあその美味しかったこと、私はアジの南蛮漬け、アジやあわび、サザエの刺身、ツワブキの煮付け、アサリの貝汁、野草の天ぷらや和え物などを肴に、サツマ汁を3杯もお代わりをしてしまいました。漁村に生まれ育った私にとって民宿つわぶきでいただいた食事は全てお袋の味ですし、妻が作ってくれる料理と同じのようですが、ゆえに美味しくいただきました。

 水が美味い、空気が美味い、食べ物が美味い、そして人情が豊かである。質素でもこんな暮らしを毎日続けている田舎の暮らしに何の不足があるでしょう。私は幸せに生きていることを、民宿つわぶきで食事をしながら実感しました。

shin-1さんの日記

  「あれもこれ 日ごろ食べてる 物だけど 何故か新鮮 民宿食事」

  「美味かった 郷土料理の サツマ汁 三杯お代わり よそってもらい」

  「ハマユウの 花の咲く頃 訪ねたい 島よそれまで 待ってておくれ」

  「デラ台風 犠牲になった 人の名も 風化判読 難しなりて」

[ この記事をシェアする ]